金属アレルギーに二つのタイプ 歯の治療は受けられる?…ジェルネイル、口紅、アイシャドーで反応が起こることも
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「金属アレルギー」です。 【図解】金属アレルギーの症状と対処法
Q ピアスで耳がかぶれて、なかなか治らないよ。 ヨミドック 金属アレルギーかもしれません。例えば、金属製のピアスやネックレスに何度もかぶれたり、歯科治療で金属を入れた後に口内の炎症や手足の湿疹が現れたりします。チョコレートやココア、ナッツ類など食品内の金属で湿疹が出る人もいます。
Q どうして起きるの? ヨ アレルギーは免疫反応の一つです。汗や唾液で金属から溶け出した「金属イオン」が体のたんぱく質と結合したものを、体が異物とみなすと、アレルギー反応が起きます。 Q 初耳だよ。 ヨ 金属が触れた所に炎症やかゆみが起こる「アレルギー性接触皮膚炎」、食品や医療材料に含まれる金属が体内に吸収されて全身にかゆみや湿疹が出る「全身型金属アレルギー」の2種類があります。 Q 金属アレルギーの有無はどうやって分かる? ヨ 「パッチテスト」でアレルギーの原因を特定します。ニッケルや金、コバルトなど金属成分の試薬が付いたシールを背中や腕に48時間貼り、皮膚の反応を複数回評価して判定します。 Q 受けてみたいな。 ヨ 皮膚科に問い合わせましょう。医療機関によってパッチテストの取り扱いがなかったり、検査の期日が限られていたりします。アレルギー症状がある場合、検査は公的医療保険の対象になります。
Q どんな対策がある? ヨ 皮膚の症状は炎症を抑える塗り薬や飲み薬で対処します。ただアレルギーそのものは完治しません。原因の金属に直接触れるのを極力避けましょう。金属の装飾品を身につけず、生活用品や食事に気を付けるようにします。 Q 歯科治療はできない? ヨ 歯科医に相談してください。口の中から金属を取り除くと症状が治まることもあります。金属アレルギーの人は、金属以外の詰め物やかぶせ物の治療を保険適用で受けられる場合があります。 Q おしゃれも要注意か。 ヨ 金属以外では、ジェルネイルによるアレルギーが増えています。口紅やアイシャドーに含まれるコチニール色素も原因になります。 アレルギーの原因を調べずに放置すると、症状に長期間悩まされ、重症化することがあります。皮膚の異常が続いたら、早めに皮膚科を受診してください。(西田真奈美/取材協力=矢上晶子・藤田医科大教授、佐藤製薬)