ヤビツ峠を含む秦野エリアを元プロライダー宮澤崇史さんと行く「HADANO Cycling Adventure」レポート
特別解放された表丹沢林道へ。絶景のビューポイントでコーヒーブレイク
グラベル区間をクリアすると、いよいよ表丹沢林道に入る。秦野市協力の元、特別開放(貸切)された林道は開放感に包まれていた。山に入ってみると季節ごとに違った景色に出会えることがわかる。イベント当日は新緑が芽吹く前の季節、木々の間からのぞく春の山間の景色が美しい。しばらく上ると視界に空が大きくひらけ、ビューポイントにたどり着いた。眼下に広がる山間の景色から秦野の街を越えて海まで続く絶景が広がっていた。 ここで穏やかな春の表丹沢を楽しみながらしばしのコーヒーブレイク。宮澤さんお手製、秦野産の小麦の手作りパニーノと秦野の名水で入れたコーヒーのサプライズ(この日1回目)。景色とおいしいサプライズに癒された。そんな小休止の間に、案内人の宮澤さんに今回のライドについてうかがった。 「秦野市はヤビツ峠をはじめ魅力的なサイクリングコースがたくさんあり、さらに季節ごとの食材も豊富。サイクリングを通して、その土地の文化や魅力を巡る旅を季節ごとに楽しんでもらいたい」。そんな思いでこのイベントを企画したという。もっと多くの人と、その地域の魅力をシェアして楽しんでいきたいという趣旨なのだろう。
ヤビツ峠を抜け、ベリー農園でいちごの食べ比べ。お花見もあり!
ビューポイントからしばらく走るとヤビツ峠に入った。ここから蓑毛ベリー農園まではダウンヒルだ。旧デイリーストア手前の路地の先に広がるいちご農園では、4種類のいちごを摘んで品種ごとの味の違いを楽しんだ。ベリー農園を後に、さらに横道に入ると2回目のサプライズ。川沿いに満開の桜並木が続いている。 お花見は半ば諦めていたこともあり予想外の光景だった。さらに菜の花も咲き乱れていて、山間に満開の春景色が広がっていた。秦野では、個人でも春めき桜(足柄桜)が植樹できるそうで、時期によって変わる満開の桜を楽しめるらしい。そんな秦野の桜の話を聞きながらしばしの間お花見。
金井(かねい)酒造店で酒づくり見学。最後は極上のイタリアンのランチ!
続いて訪れたのは金井(かねい)酒造店。まさにたったいま走ってきた表丹沢の湧水を使い日本酒を醸造する酒蔵。創業の明治元年から名水日本一にもなった丹沢の湧水で多くの日本酒を作っている。酒造りの工程を順に見学させていただき、麹が発酵する様子や、仕込みに使われている数種の酒米も見せていただいた。 その後ランチで訪れたのは、トラットリア フーコさん。秦野で人気のイタリア料理店。シェフはイタリア各地で修行を積み、秦野の食材で本格的イタリアンを提供している。本日のメニューも秦野の魅力が詰まった内容だ。 食材の肉や野菜だけでなく、自家製パスタの小麦まで秦野産にこだわる徹底ぶり。パスタは丹沢の猪のラグーソース、メインは和牛と秦野野菜のリボリータ。デザートには蓑毛ベーリー農園のイチゴをたっぷり使ったティラミス。今日のライドストーリーの詰まったお料理を提供していただいた。どのお料理も大変おいしくライドの充実感と共に味わい、食後は参加者の皆さんと写真を撮って解散。
「HADANO Cycling Adventure」は、特別で上質なライドイベント
こんなサイクリングイベントがあっただろうか? 冒険と非日常体験を感じられる充実したライドだった。そして道案内人の宮澤さんとサポートライダーの皆さんの手厚いサポートに感動した。“サイクリングがアドベンチャーになる”に“宮澤さん流”の楽しさがプラスされた、特別なライドイベントだった。また、今回は1名での参加だったが和気あいあいとした雰囲気で充分に楽しむことができた。丁寧にあつらえられた上質なライド体験。新しいサイクリングの楽しみ方に出会えた気がする。次回の開催も楽しみだ。 問:bravo事務局 協力:秦野市・金井酒造店・トラットリア フーコ
Bicycle Club編集部