武力紛争が最大のリスク=世界経済フォーラム報告書
Elisa Martinuzzi [ロンドン 15日 ロイター] - 世界経済フォーラム(WEF)は15日、年次総会(ダボス会議)が20日に始まるのを前に、「グローバルリスク報告書」を公表した。2025年の世界経済の最大のリスクとして戦闘やテロを含む武力紛争を挙げ、世界の分断が深まっていることを印象付ける結果となった。 学界や企業、政策立案者といった900人以上の専門家を対象に24年9─10月に調査を実施した。武力紛争を最大のリスクとしたのは4人に1人近くに上った。24年の最大リスクとされた異常気象は今回、2番目に深刻なリスクとされた。また、回答者の64%が多極化・分断化した世界が続くと予想した。 WEFによると、ダボス会議にはトランプ次期米大統領が就任直後の23日にオンライン形式で参加。ウクライナのゼレンスキー大統領も出席し、21日に演説を行う。欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長や中国の丁薛祥副首相も参加する。 WEFのブレンデ総裁によると、今年のダボス会議では、シリアやガザ地区の「悲惨な人道的状況」を含めた中東での紛争を巡る議論が焦点となるとしている。 報告書では、今後2年の最も深刻な世界的リスクは誤・偽情報で、24年と同様だった。 今後10年間のリスクに関しては、環境の脅威がリスク懸念の大部分を占めた。異常気象が長期的なリスクとしてトップで、生物多様性の喪失、地球環境の重大な変化、天然資源の払底が続いた。