勝又健志

　劣勢を強いられていた“軍師”は、最後に一瞬のチャンスを見逃さなかった。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2023-24」セミファイナルシリーズ4月18日の第2試合。EX風林火山・勝又健志（連盟）が終盤にダマテンの奇襲を仕掛け、鉄壁を誇る渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）からロンアガリ。このファインプレーに視聴者もどよめいた。 【映像】天才軍師の奇襲に鉄壁守備誇るトップ雀士が悶絶 　場面は東3局。親の園田がマンズの混一色で仕掛け、發と中のシャンポン待ちでテンパイ。これに対してKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）がマンズ連打で押し返しを図る。この両者に多井、勝又は危険牌を絞って慎重に打ち進めた。 　終盤、堀がようやくテンパイしてペン3索待ちのリーチ。これを受けた園田はトップ目ということもあり、現物を抜いて降参だ。このまま堀優勢の局面が続くと思われた直後、勝又がなんとタンヤオ・平和・赤の3900点をテンパイ。待ちは5・8索で堀の現物待ちだ。息を殺しダマテンに構えると、窮地に陥ったのは多井。カン六万でテンパイすると、気配のない勝又のダマテンをケアできるはずもなく、吸い寄せられるように堀の現物の打5索。勝又が開いた手を見て、多井は悶絶した。 　打点を求め、リーチをしていればおそらく出なかったアガリ牌。鮮やかに決まった奇襲に実況の日吉辰哉（連盟）は「勝又アガリだ！すごい局出た！」と絶叫した。視聴者からは「うわー！」「色々美しい」「うわぁすげぇ」「レベルたっか！！」「かっちゃんすげえなｗ」と次々に歓声が上がり、次の局に移ってもしばらくこの激闘の余韻が残っていた。 ※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会 ◆Mリーグ　2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。 （ABEMA/麻雀チャンネルより）