住友重機械工業、新造船事業から撤退。横須賀で洋上浮体製造
住友重機械工業が新造船事業からの撤退を決めた。14日に造船事業の再構築を発表し、一般商船の建造については2024年度以降の新規受注を停止し、受注残の引き渡しをもって終了することを明らかにした。建造拠点のある横須賀製造所(神奈川県横須賀市)では撤退後、洋上風力発電用の浮体建造などを手掛ける。1897年設立の浦賀船渠からスタートした住重の造船業は大きな転換点を迎える。(2面に関連記事) 新造船事業からの撤退後は26年をめどに、洋上風力用構造物および関連船舶を建造。修理船事業や風力推進関連などのエンジニアリングサービスも手掛ける。これに加えて横須賀製造所は24年から、大型港湾クレーンなどグループ内企業との生産協業を開始。ショベル工場も新設し、26年から生産を開始する。 住重はアフラマックスタンカーに特化する戦略を取り、近年も国内外の船主から高い評価を得て一定のペースで受注。同船種の日本唯一の建造ヤードとして横須賀造船所で連続建造してきた。 住重グループの住友重機械マリンエンジニアリングの宮島康一社長は22年の就任時、本紙の取材に「横須賀の地で造船事業を継続していくためにも、船以外にプラスアルファとして例えば鉄構造物などの製造も検討しなければならない」と語っていた。
日本海事新聞社