能登半島地震から半年 石川県珠洲市の一部で現在も断水 進まぬ復興【風をよむ】サンデーモーニング
また2024年4月に台湾で発生した大地震では、発生2日後には解体作業がスタート。 被害の象徴ともなった大きく傾いたビルは、わずか2週間で更地に。復旧作業の迅速さが話題となりました。 こうした例と比較して、否応なく感じられる復興の遅れ。石川県の馳知事は… 石川県・馳浩知事(4月25日): 「令和7年10月の解体完了を目指して、引き続き国とも協力しながら各市町の取り組みをしっかり支援したい」 ■解体がおくれる理由は 人手不足に地理的な問題も影響 とするものの、期限内の解体完了は、困難が予想されます。解体が進まない理由を輪島市の担当者は… 輪島市環境対策課・友延和義 課長 「当然、人手不足である。何をするにしても(輪島市の)職員ではまかなえない。(応援を)石川県なり国にお願いしているが、行政改革が進む中で(どの自治体も)職員は足りない。あとは地理的な問題は、やはりなかなか厳しい。解体業者も宿泊場所の確保がネック」 金沢から2時間半かけて実家の解体申請にきたという女性も… 膳場キャスター: 「どうですか、町の様子ごらんになって」 女性: 「私もびっくりしたんだけど、なんにも町の状況が変わってない」 ■過疎化・高齢化の問題も復興の遅れに影響 輪島市の高齢化率は49.4% 遅々として進まない能登の復興。一因となっているのが、この地域の過疎化や高齢化の問題です。 女性: 「人口的にお年寄りばかりかもしれませんけど、置き去りっていう感じ…」 現在日本の高齢化率は29.1%(去年9月時点)ですが、輪島市では、それを大きく上回る49.4%。しかも高齢の一人世帯が全体の約3割を占めます。(6月1日時点) 5月20日には70代の一人暮らしの女性が、輪島市の仮設住宅で亡くなっているのが見つかるなど、高齢者の孤立が問題になっています。 能登半島地震で亡くなった人は、300人にのぼる見通しで、そのうち避難生活などが原因の災害関連死が70人です。 男性: 「(復旧を)早くしてくれって、する人がいない。つぶれた家も誰も生活していない。帰ってくる人も 少ないだろう」
過疎化や高齢化が進む地域の、復興の難しさを示した今回の震災。輪島市の担当者は… 輪島市環境対策課・友延和義 課長: 「若い人は大半の方が出て行かれるという状況にある。家を建て直すかどうか皆さん本当に悩まれている。輪島市に限った話でなくて、過疎地域であれば、(地震に襲われた時)同じことが起こるんだろうと思います…」 7月1日、能登半島地震からちょうど半年を迎えます―。 (「サンデーモーニング」2024年6月30日放送より)
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