「光る君」はどんなイメージ 京都・源氏物語ミュージアムで在原業平や源融まつわる作品紹介
京都府宇治市宇治の源氏物語ミュージアムで、企画展「光る君の面影をもとめて」が開かれている。光源氏のモデルの一人と考えられている在原業平(ありわらのなりひら)や源融(とおる)にまつわる絵などから、平安時代の貴公子の多様なイメージを伝える。 会場では、江戸期を中心に40点の資料を展示。平安時代の代表的な歌人である在原業平の姿は「六歌仙図屏風(びょうぶ)」や「百人一首図会」で、嵯峨天皇の皇子である源融は、その事績にまつわる能の図絵で伝えた。家塚智子館長は「業平は歌に秀で、色男で、マメなところ、融は源氏姓を賜って臣籍に降下したところが光源氏的だ」と述べた。 「摂津名所図会」では、着物の袖で雨をしのいでいる姿を「光源氏を描く上での定型の一つ」と紹介。現代で言えば2次創作に当たるという「偐(にせ)紫田舎源氏」は、歌川国貞の挿絵が新たな源氏絵として人気を博したと説明している。 家塚館長は「光源氏がどんな人物かという答えがあるわけではない」と語る。源氏物語の「桐壺」で、桐壺帝が、楊貴妃の美しさが絵で描ききれないように、寵愛(ちょうあい)する桐壺更衣の魅力は例えようがないと悟ったことに触れて「光る君の美しさや輝きは描き切れないのかもしれない。だからこそ、今も源氏物語に関するあまたの作品が創作されているのかもしれませんね」と話した。 12月15日までの午前9時~午後5時。大人600円、子ども300円。休館日や展示替えがある。