日本女子卓球の総合力に中国メディア脱帽。世界女王から初金星・張本美和の“成長スピード”に警戒強める「計り知れない大きな影響」
アジア選手権団体決勝で中国を撃破。50年ぶりの快挙
日本卓球女子の加速度的な成長スピードに警戒を強めている。 現地10月9日、カザフスタンで開催されている卓球のアジア選手権は女子団体決勝が行なわれ、日本(世界ランク2位)が中国(同1位)をマッチカウント3-1で破り、優勝を果たした。卓球最強国を撃破しての頂点は1974年の横浜大会以来、実に50年ぶりの快挙だ。 【画像】早田ひな、平野美宇、張本美和、伊藤美誠、木原美悠...女子卓球界が誇る“異次元の天才”たちを一挙にチェック! 日本はまず、パリ五輪代表の張本美和(世界ランク7位)が先陣を切った。同4位の王芸迪を相手に一歩も引かず、強気の攻めを貫いた16歳が先勝する。第2試合は伊藤美誠(同9位)が世界女王の孫穎莎(同1位)にストレート負けを喫したが、第3試合で平野美宇(同12位)が難敵・陳幸同(同6位)とのゲームを制し、王手をかけた。 そして勝負の第4試合、第1試合で勝利を挙げた張本が最強女王に挑んだ。 張本は第1ゲームから孫穎莎と互角の打ち合いを演じたが、あと1本が奪えず9-11で競り落とすと、続く第2ゲームも相手に押されて連取される。やはり女王の牙城は崩せないのか...。しかし、第3ゲームで張本が5連続ポイントを挙げて取り返すと、第4ゲームも奪取。ゲームカウント0対2の崖っぷちから、土壇場でついに追いついた。 完全に勢いに乗った怖いもの知らずの16歳は最終ゲームも制し、6戦全敗の相手から初勝利。試合後には欠場したエースの早田ひな(世界ランク5位)やチームメイトと喜びを分かち合った張本。ファイナルの舞台で中国を破る価値ある優勝を全員で掴み取った。 熱戦が繰り広げられたパリ五輪の団体決勝から2か月、打倒・中国の悲願を成就させた日本に対し、中国メディアは驚きを隠せない。中国唯一の英語スポーツテレビ番組『CGTN Sports Scene』は「日本が中国を3-1で下し、2021年以来となる女子団体金メダルを獲得した」と速報記事を打ち、絶対的エースの孫穎莎がいるなかでの銀メダルに衝撃を受けた。なかでも、近年の日本勢のなかで警戒を寄せる張本のリザルト「孫穎莎2-3張本美和 (11-9/11-6/8-11/7-11/6-11)」には、スコア以上の接戦に唸ったほど。2勝を挙げる活躍で金星の立役者となった16歳の実力に目を丸くした。 別の中国メディア『網易体育』は優勝を逃した要因として、「日本チームの総合力が急速に向上した」と分析。「平野美宇が陳幸同を、張本美和が王芸迪と孫穎莎を破っている点から見ても、日本チームの総合力は中国チームとの差があまりなく、非常に大きな進歩を遂げていることを示している。特に張本の継続的な成長は中国チームにとって計り知れない大きな影響を与えている」と記し、格上を撃破した現役高校生の底知れないポテンシャルに脱帽している。 記事では「今回のアジア選手権で中国の卓球女子チームが敗れたことは、若手選手の育成に力を入れることが教訓とされた。そして、もう一方では対戦相手の技術向上に注意を払うことへの警鐘でもある」と呈し、卓球大国にとって日本の存在は無視できないと論じている。 構成●THE DIGEST編集部
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