“敗軍の将”石破首相は「むしろ功績」 自民惨敗“本当の戦犯”2人を専門家が名指し「日本中がカチンときた」
議席増の野党は「自民のオウンゴールで伸びただけ」、今後は政権運営の責任も
一方の野党では、立憲民主党が公示前の98から148に、国民民主党が7から28に議席を伸ばし躍進。れいわ新撰組や参政党も議席を増やした。首班指名選挙も控えるなか、現時点での連立政権による政権交代はあり得るのだろうか。 「野党がバラバラな現状でそれはないでしょう。(立憲民主党の)野田(佳彦)さんは自分が代表になって大勝したと思っているかもしれませんが、今回は共産党と距離を置いたこと以外は、ほとんど自民のオウンゴールで伸びただけ。自民党にお灸をすえるという消極的な動機で目的で投じた人は、野党が新しい政治を提案できないならやっぱり自民でいいと戻ってしまう。今回議席を伸ばした党も、手放しで勝ったというわけではありません。 野田さんは野党を取りまとめて、政権交代までこぎつけないと勝ったとは言えない。仮に立憲民主党と国民民主党が合併して元に戻っても、過半数にはまだ足りない。この先は野党も批判だけではなく、政権運営に関わる意思表示をしていく必要があります。政策面で与党に協力する気があるのか、野党側の器も問題になってくる」 群雄割拠で勝ち馬の分かりづらい結果となった衆院選。人によって支持政党はさまざまだが、有権者としては今回の結果をどう受け止めればいいのだろうか。 「今回の選挙の一番の勝者は誰か? 強いて言うならば、有権者たる国民です。与党も野党もそれぞれが総すくみの状態で、緊張感のある微妙なバランス。これは裏を返せば、どこも頑張り次第で政権を目指せる、非常に健全な状態と言えます。次の中間試験となる参議院選挙が来年7月に控えていることも重要。それまではこの状態が続き、各党協力的にならざるを得ません。与党は謙虚に、野党は覚悟を持って、日本の政治全体のレベルがあがるチャンスになります。 もっと言えば、その先に政界再編があると思う。今回は全体を通して、自民、公明、共産という古い党が負け、比較的歴史の浅い政党が勝った。そこから国民全体の意識は変化を求めているのだと気づかなければいけません。古い体質の政治はノー、新しい政治には期待がある一方、何が正しいかは国民もまだ分かっていない。今はそんな状態です。価値観も多様化し、多数派が過半数に満たない時代。政党もくっついたり離れたりを繰り返し、多様な考えをまとめて成長していくことが求められるのではないでしょうか」 国民の選択は政治を推し進める契機となるか。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム