大分市薬剤師会、「残薬」把握へ持参バッグ作成 適切な服用で医療費削減につなげる
大分市薬剤師会(阿部みどり会長)は患者に飲み忘れなどで服用しなかった「残薬」を、かかりつけの薬局に持参してもらうためのバッグを作成した。薬剤師が余っている薬を把握した上で提供する薬の量を減らし、医療費削減につなげる。 高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える患者が残薬の多い傾向にあり、医療費増加の一因として全国的な課題となっている。 同会などは2022年10月から5カ月間、199人を対象に残薬調査を実施。薬を調整し、適切に服用してもらうことで約57万円の医療費削減につながったという。 残薬を持参すると使用期限や保管状態を確認して、新たに購入する薬を減らしてくれる。また、薬剤師が薬が余る原因を考え、飲みやすい形状や服用の回数などを再検討することもあるという。 バッグは大分、由布両市の薬局計243店で、残薬が発生しやすい患者を対象に各100枚を無料で配布している。お薬手帳を入れる専用ポケットも付いている。 同会は「残薬を適切に服用してもらうことで医療費の削減はもちろん、治療にも良い影響がある。多くの人に取り組んでほしい」と呼びかけている。