佐藤嗣麻子、映画監督と脚本家の〝二刀流〟こだわりたい 夢枕獏氏との〝約束〟 夫・山崎貴監督から褒められた最高傑作『陰陽師0(ゼロ)』
【ぴいぷる】 監督と脚本家という〝二刀流〟を貫いてきた。 「映画の現場では監督が一番権限が強い。一方、ドラマの場合は演出家は数人体制なので、脚本家の権限のほうが大きいですね」 【写真】映画「陰陽師0」キックオフイベントに出席した山﨑賢人、藤嗣麻子監督ら それぞれの経験を踏まえて振り返る言葉には、実に説得力がある。 警視庁の敏腕刑事を篠原涼子が演じた人気ドラマ「アンフェア」シリーズの脚本を手掛け、映画版では監督も務めた。 「依頼されれば、どちらでも。役割が違うので両方続けたい」と二刀流の継続を宣言するが、「監督を任されたときは自分が脚本も書きます。演出する自分が脚本を一番理解しているのですから」と強いこだわりも見せる。 19日公開の「陰陽師0(ゼロ)」は、9年ぶりに監督兼脚本家を託された新作だ。これまでに2度にわたって映画化されている作家、夢枕獏のベストセラー小説「陰陽師」シリーズの最新作だが、映画化への道程は長く構想は壮大だ。 「実は(夢枕)獏さんとは40年来の長いつきあいなんですよ」 SF好きで夢枕の大ファンを公言。19歳からSFファンの集いに参加し親交を温めていた夢枕から、「いつか〝しまちゃん(佐藤嗣麻子の愛称)〟に映画化してほしい」と頼まれたのが、なんと35年前。「ようやく約束を果たすことができた」と胸をなでおろす。 舞台は平安時代。陰陽師の学校、省庁である「陰陽寮」で学ぶ学生、安倍晴明(山﨑賢人)は貴族の源博雅(染谷将太)から怪奇現象の解決を依頼されるが…。 原作でも描かれていない若き日の安倍晴明を生き生きと活写する。 「獏さんとの約束以来、陰陽寮の歴史などを調べていたので、脚本の初校は8年前に書き上げていました」と語るように撮影準備は万全を期していた。 山﨑は呪(しゅ)の作法などのほか、染谷と乗馬も習得し撮影に備えてきたが、実は「私も撮影の3年前から乗馬を習っていました。実際に馬に乗れないと撮れないと思ったから」とさらり。乗馬の指導者から「監督がレッスンに通うのはあなたが初めて」と驚かれたという。 27歳で監督デビュー。30歳で監督した映画「エコエコアザラク―WIZARD OF DARKNESS―」(1995年)で、特殊撮影を担当していたのが先月、「ゴジラ―1.0(マイナスワン)」で米アカデミー賞視覚効果賞を受賞した山崎貴監督だ。