エクアドルが内戦状態に「国家vsギャング」の武力抗争が勃発
隣国のペルーやコロンビアに比べれば平穏とされていたエクアドルだが、ギャングの暴力や麻薬取引、政治的暗殺が急増。生放送番組は乗っ取られ、刑務所では看守が人質に...
エクアドルのノボア大統領は1月10日、国内が「武力衝突状態」だと発言した。【アレクサンドラ・シャープ(フォーリン・ポリシー誌記者)】 【動画】「アマゾンは自分たちのもの」「燃やす権利がある」と言う牧場主たち 背景にあるのは、今年に入って続く犯罪組織絡みの暴力だ。 警官や刑務所職員が人質に取られ、爆発事件も発生。 最大都市グアヤキルでは1月9日、武装した男たちが国営放送局を襲撃し、生放送番組で声明文を読み上げるよう迫った(その後、全員逮捕)。 一連の事件の発端はグアヤキルで服役中だった犯罪組織のボス、アドルフォ・マシアスの脱獄だ。 翌日の1月8日、ノボアは全土で非常事態を宣言。これを受けて、少なくとも6カ所の刑務所で暴動が起き、看守が人質に取られた。 隣国のペルーやコロンビアに比べて「平和」と評判だったエクアドルでは近年、ギャングの暴力や麻薬取引、政治的暗殺が急増している。 2017年の10万人当たりの殺人件数は5件だったが、22年には26件に増加した。 昨年11月に大統領に就任したノボアは、麻薬関連犯罪や政治腐敗との闘いを公約に掲げている。 From Foreign Policy Magazine