「僕自身は穿った見方をするほう」大河『光る君へ』で注目の塩野瑛久がスタッフに“褒められた”自身の性格
名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。「CREA」2024年春号の「行かなくちゃ、台湾」特集。その一部を抜粋し、掲載します。 【画像】塩野瑛久さんの写真をすべて見る 連載「PEOPLE」に登場してくださったのは、俳優・塩野瑛久さん。
オーディションのことは忘れて過ごしていた
薄日が差す障子の前に、着物を纏って凜と立つのは、NHK大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇を演じる俳優の塩野瑛久さん。オーディション合格の連絡をもらったときは信じられず、何度も確認してしまったという。 「オーディションで結果を待つという“しんどい”経験をたくさんしてきたので、今回も一旦そのことを忘れて過ごしていたんです」 いざ受かってからドラマのスタッフに言われたのは「素直なところがいい」ということだった。 「僕自身はちょっと穿った見方をするタイプでもあるんで(笑)、キラキラした素直さとはニュアンスが違うかもしれませんが、思っていることをストレートに言うという意味では素直だと思います」 はじめての大河の現場では刺激を受けることも多いという。 「母親の藤原詮子役の吉田羊さんとご一緒した撮影では、ひとつのシーンにこれまでの俳優人生を懸けているんだということが伝わってきて……圧倒されました。『光る君へ』に参加できてよかった、と思える瞬間が一番詰まっていたシーンでした」
御簾を通して感じた一条天皇の孤独
塩野さんと言えば、2021年にLDH JAPAN所属を発表し、2022年に劇団EXILEのメンバーになったことも記憶に新しい。 「以前からLDHの作品でお世話になっていて、HIROさんも僕のことを知ってくださっていたようで、縁あって所属することになりました。前々から僕の性格がLDHに“あってる”とはよく言われてたんですけど、たしかに自分発信で動くという社風はあってるのかなと思いますね」 『光る君へ』では、藤原公任役を務める事務所の先輩・町田啓太とも共演している。 「同じシーンの撮影もけっこうあって心強い感覚はあるんですが、実は一条天皇と藤原公任たちの間には御簾があって、僕から向こうは見えるんですが、向こうから僕は見えないんです。なので『おはようございます』って挨拶しても、みんな僕がどこにいるのかわからない(笑)。長袴なので自由に動いて話しかけにいくこともできなくて、少し寂しい思いをしています。でも、そのことで一条天皇も孤独を感じていたんだろうなという新たな気付きもありました」 塩野さんから見た一条天皇はどんな人物に映っているのだろうか。 「一条天皇の時代には藤原道長が権力をふるっていたわけですが、そんな中でも、自らぶつかる覚悟を持って政に取り組んでいたんだなと大石静さんの脚本から感じました。もがき苦しむ様子も人間らしいし、今後は、妻の定子をどれだけ真摯に愛するのかにも注目していただきたいです」 塩野瑛久(しおの・あきひさ) 1995年東京都生まれ。劇団EXILEのメンバー。主な出演作に映画『HiGH&LOW THE WORST X』や、ドラマ『ブラックファミリア』、『天狗の台所』など。Vシネクスト『キングオージャーVSキョウリュウジャー』が4月26日より全国で期間限定上映予定。 衣装クレジット 着物、帯(参考商品)/きものさろん花子
西森路代