岡山駅前の「桃太郎像」がない! 「鬼が島」に150mほど近づく
JR岡山駅前のシンボルとして親しまれてきた「桃太郎像」が、こつ然と姿を消した。どこの鬼の仕業かと思いきや、150メートルほど南の地下入り口付近に「お引っ越し」。路面電車の乗り入れ事業に伴い、仮住まいをすることになった。 【写真】桃太郎像の「お引っ越し」先はこちら 1960年ごろには岡山駅にあったとされる桃太郎像。1972年3月の山陽新幹線開通に合わせて設置されたのが、現在の2代目桃太郎像だ。岡山市出身の彫刻家・故岡本錦朋氏が制作した。 過去の山陽新聞の記事によると、設置当初は、「鬼が島」だとされる香川県・女木島がある南を向いていた。ところが、駅前商店街がにぎわうようにと期待を込めて東向きに。その後、「本来の方向に向けて」との声が相次いだため、1999年4月、南向きに戻されたと書かれている。桃太郎もどこを目指せばよいのか、迷走していた時代があったようだ。 移設工事は21日夜から22日未明にかけて行われた。しばらくは仮設置場所に置かれ、2027年3月の乗り入れ事業の完了までには、新しく整備される電停の南側に移設される予定だ。 もちろん向いている方向は鬼が島のある「南」。設置場所が150メートルほど南となり、鬼が島に少し前進した桃太郎像。さらにりりしい表情で鬼が島を見据えていた。