2024年のゲーム業界、スマホゲームが主導 成長率は6%予測「下落が底を打った」「新たな成長期に入った」調査会社が示唆
Sensor Tower、IDC、Mistplayの市場調査会社3社が共同でとりまとまた最新の市場レポートによると、2024年のゲーム業界において、総支出額のうちモバイルゲームによる支出が約半数を占めるとの推測がなされ、引き続き主導的な存在になっていることが示唆された。 【画像】【図】調査会社が公表したゲーム業界成長の予測、上半期ヒットした4つの注目タイトルも(全4枚)
不調とささやかれるも人気タイトルが支出牽引
Sensor TowerとIDCの予測によれば、2024年の年間支出総額1,650億ドルのうち、モバイルゲームが約50%のシェアを維持する見込みであるのに対し、コンソールゲームが25%、PC/Macが24%、携帯ゲーム機が約1%を占めると予想されている。 2023年はモバイルゲーム業界にとって厳しい年であったが「下落が底を打った可能性があることを示す兆候が見られます」と分析しつつ、最近のヒット作や新作リリースに牽引したことで、2024年の前年同期比成長率は6%に達する見通しとなった。レポートでは「業界が新たな成長期に入った」可能性を示唆している。 ゲームジャンルの分析では、シミュレーターゲームがダウンロード数シェアで首位を獲得。一方、収益シェアでは4Xストラテジー、コインルーター、MOBAといったジャンルが上位を占めた。特に『ラストウォー:サバイバル』『MONOPOLY GO!』『ブロスタ』といったタイトルが各ジャンルの牽引役となっているようだ。 また、2024年上半期に好調だったモバイルゲームは、有名ボードゲームのモバイル版、パズルとライフスタイル要素を融合したマッチ3ゲーム、終末世界をテーマとした4Xストラテジーゲームなど多岐にわたるといい、強力なIPの活用、市場トレンドへの適応、効果的なライブオペレーションが挙げられている。
半数が「広告が多すぎる」理由にゲームを離脱
レポートでは広告に関する消費者の反応にも言及されており、アメリカのゲーマーはリワード動画広告を最も好む一方、一般的な動画広告に対しては否定的な感情を抱いていることが分かった。Mistplayの調査では、ゲーマーが広告に興味を持つ主な理由として、報酬とインセンティブ(42%)、ゲームジャンルとの関連性(40%)、魅力的なゲームプレイ(38%)が挙げられている。 そして、約50%のプレイヤーが「広告が多すぎる」ことを理由にゲームを離脱している点も明らかに。この現状問題に対処するため、特別なインセンティブや関連性の高いコンテンツを広告に組み込むことで、プレイヤーの体験価値を高め、コンバージョン率や長期的なエンゲージメントを向上させる可能性があると分析されている。
編集部 経済・社会担当