「学校で昼寝します」が生徒会長の公約 “昼寝専用の教室”に生徒たち次々と…授業中の居眠りが減るか高校公認で実験
午後の授業の集中力をアップさせる「PN」を知っていますか?それは「パワーナップ」と呼ばれる効果的な昼寝のこと。長野高校(長野市、全校約830人)で昨年秋に行われた生徒会長選挙では「PNの導入」を公約した候補が会長に当選。授業中に居眠りする生徒が多い現状を変えようと2月上旬、学校公認の「実証実験」を行った。一方、既に昼寝を取り入れ、効果を上げている高校が福岡県にある。高校生と昼寝のいまを取材した。 【写真】“昼寝専用の教室”の前に立てた看板
実験1日目は10人近くが訪れ…
「PNテスト中です 静かに通行してください」
2月5日の昼休み。昼食を終えた生徒が1人、2人とこの教室に入り、思い思いに仮眠を取った。パワーナップの導入を掲げて生徒会長になったのは2年生の佐藤龍さん(17)。実証実験は月曜日のこの日から5日間行い、初日は40分の間に10人近くが訪れた。生徒たちは授業開始5分前のチャイムを合図に体を起こし、午後の授業へと向かった。その後も毎日、1桁の人数ではあるものの利用があった。
「居眠りする人が多いのが気になっていた」と生徒会長
「高校に入って授業中に居眠りする人が多いのが気になった」と佐藤さん。眠くなるのは仕方ないが、学習時間を減らしてしまうのはもったいない―。福岡県久留米市にある高校の事例や企業で昼寝の導入が進んでいることをインターネットなどで知り、公約に掲げることを思いついた。
「眠気少なくなった」「時間作れない」…さまざまな声
休み時間に自分の席などで生徒が寝るのはこれまでも可能だったが、周囲のおしゃべりも気になる。学校と交渉し、昼寝専用の教室を確保した。初日からこの教室を利用した2年生の男子生徒は「自分の教室だと昼休みはうるさくて眠れない。昼寝の取り組みがあることで、睡眠不足を意識させられた」。
合計4日間利用した2年の矢花正光さんは「寝る時間が5分ぐらいだと、いつもより午後の授業は眠たくなってしまう。15分ほどだと普段より眠気が少なくなった」との手応え。「昼寝した時間が少ないともっと寝たくなって、授業中も居眠りしてしまった」という感想も出た。