バリカン訓練に励むビントロング 採血で必須 鹿児島の動物公園
平川動物公園(鹿児島市)は飼育するジャコウネコ科最大種「ビントロング」2頭から採血するため、一部の被毛を刈る「バリカントレーニング」を始めた。まだバリカンの音や振動に慣れさせ、軽めに毛をそり始めた段階だが、2頭は嫌がるそぶりもなく、神妙にトレーニングに臨んでいるという。 【写真で見る】気にしていない? バリカントレーニングの様子 2頭は雄のハヤト(18歳)と雌のチャコ(17歳)。ハヤトはタイの動物園生まれで2012年に来園し、チャコは平川動物公園で生まれた。つがいの間には、多くの子どもが生まれている。 高齢になるにつれて2頭は健康管理が重要になってきた。そのために採血は不可欠な作業。だが、ビントロングは長さ約10センチの被毛に覆われ、そのままでは注射針を刺せない。そこで、毛をそって採血するためのトレーニングを7月から始めることにした。 台に乗ったり、触診を受けたりするメニューをこなした2頭は現在は、バリカンに慣れる段階に入った。週に3回程度、1回約15分のトレーニングをしている。 ビントロングは野生では深い森林の樹上に暮らす。夜行性で、日中は木の穴の中で休んでいる。動きは遅いが、器用に尾を使い、枝から枝へ移動。果実を主に食べ、小動物や鳥、昆虫も口にするという。【梅山崇】