絵本作家ユニットのザ・キャビンカンパニーに小学館児童出版文化賞 都内で贈呈式「祈りを込めて描きつづった」
第73回小学館児童出版文化賞(小学館、日本児童教育振興財団主催)の贈呈式が14日、東京都千代田区の如水会館であり、「ゆうやけにとけていく」(小学館)で受賞した大分市在住の絵本作家ユニット、ザ・キャビンカンパニーの阿部健太朗さん(35)と吉岡紗希さん(36)が表彰された。 本作は沈みゆく太陽を詩情豊かに表現した絵本。審査した絵本作家の荒井良二さんは「大胆さと繊細さの歯車がうまく回っている作品」、児童文学作家の富安陽子さんは「絵と言葉が響き合って、一つの美しい世界をつくり上げた」などと評した。 登壇した阿部さん、吉岡さんは「悲しみの淵にいる人にそっと寄り添い慰めてくれるよう、静かに祈りを込めて描きつづりました。今の全力の思考と感情が顕在化された絵本だと思います」と述べ、関係者への謝辞で結んだ。 賞は「子どもに薦めたい優れた出版物」として作家や画家、出版社などから推薦された作品を対象に審査。今回は「ゆうやけに―」と最上一平の「じゅげむの夏」(佼成出版社)の2作品が受賞した。