GSの配管からガソリン漏れ水道水から発がん性物質検出された問題 エネオスと住民との間で和解成立 室蘭市
HTB北海道ニュース
室蘭市のガソリンスタンドの配管からガソリンが漏れ水道水から発がん性物質が検出された問題で、ガソリンスタンドを所有する「エネオス」と住民との間で和解が成立しました。 一連の問題をめぐり、エネオスのトップが初めて室蘭市を訪れました。 エネオス 山口敦治社長: 「このたび被害に遭われた皆様に健康補償について合意をいただいたので本日)、その報告にまいりました」。 問題が起きたのは室蘭市高砂町1丁目にあるガソリンスタンド。おととし6月、住民から市への相談がきっかけで事態が明るみになります。 「水道水から油の臭いがする」 市が周辺の水道水を調べたところ、基準値の760倍にものぼる発がん性物質「ベンゼン」が検出されたのたです。 ガソリンスタンドの計量器と地下にあるガソリンタンクをつなぐ配管が老朽化により破損。ガソリンが漏れ出し住宅街につながる水道管に混入していました。 市が行った健康調査では複数の住民からベンゼンを体内に取り込んだ可能性を示す数値が検出され、ガソリンスタンドを所有するエネオスと住民との間で補償を巡る協議が続けられていました。 説明会: 「本当に悪いと思っているのか」「ただお金を渡しておけばいいやと思っている感しか見えていないのは残念」。 そして29日、エネオスの山口社長が室蘭市を訪ね、住民との間で和解が成立したことを青山市長に報告。 補償金として1人あたり50万円から200万円を支払うほか、新たに健康相談窓口を設けることで合意に至ったということです。 エネオス 山口敦治社長: 「住民の皆様のお話を伺いながら真摯に対応していきたいので引き続きよろしくお願いいたします」。 室蘭市 青山剛市長: 「これで問題がすべて解消になったとは考えていないが住民の不安が和らぐのではないか」。 和解までに2年4カ月がかかった理由について、山口社長は。 エネオス 山口敦治社長: 「住民の皆様のご要望やご意見についてできるだけ取り入れるべく社内で調整をしてきた結果、時間を要してしまいました」。 住民は和解に応じた背景についてこのように話します。 室蘭ベンゼン被害者の会 代表: 「もう疲れたから和解しますという方も何人も出てきた」、「健康相談窓口という形で今後も対応してくれるということだったので被害者の会としてはこれで解散してもいいじゃないかという形になった」。 ガソリンが漏れ出た現場ではいまも土壌の浄化作業が続いています。 室蘭ベンゼン被害者の会 代表: 「もう少し早く解決できればよかったという思い」、「今後、このようなことがないようにしていただきたい」。
HTB北海道ニュース