九州国際大付のビッグルーキーがこの夏の初得点たたき出す 大会3連覇へ向けてコールド発進【高校野球福岡大会】
◆第106回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 九州国際大付7―0小倉商(7回コールド)(4日・北九州市民球場) ■高校野球の最新情報はコチラ 大会3連覇を目指す九州国際大付は7回コールドで好発進した。昨夏の大会後に就任した楠城祐介監督の指揮で迎えた初の夏。1年生が3人スタメン入りする若いチームがのびのびと力を発揮した。 この夏の九州国際大付の初得点は1年生がたたき出した。1回無死一塁で3番牟禮翔(むれ・しょう)(1年)が中越えの二塁打を放ち先制点を挙げた。先制のホームを踏んだ平間勇吏も1年生で、初戦の重苦しさを1年生のバットが吹き飛ばした。「緊張していました。打てたらラッキーぐらいに思って打席に立ちました。打てて良かった」。夏の大会は適時二塁打でスタートし、第3打席と第4打席も中堅のフェンス手前まで飛ぶ大飛球を放った。「2打席目以外は芯で捉えることができた」と2本目の安打は出なかったが納得の打球だった。 180センチ、86キロと1年生離れした体格で力のある打球を飛ばす。「打撃が得意なので打撃のいいチームに行きたくて」と岡山から九州国際大付へ入学した。中学時代はクラブチームでの野球と並行して学校の陸上部に所属。1年の時には100メートル走で県5位の記録を出した身体能力の持ち主でもある。2年連続甲子園に出場する強豪、九州国際大付で入学後すぐから試合に出場している1年生は「すごくタフな選手でとにかく練習する。ティー打撃でも500本、600本、700本とやる。こんなに体力のある選手はいない」とプロ経験がある楠城祐介監督も驚くほどの練習の虫。「中3年のときから素振りを始めました。暇な時間はずっとバットを振っています。負けたくないので」と寮でも素振りを続ける。 甲子園に行きたい気持ちは上級生にも負けていない。6月の終わりに祖母を癌で亡くした。祖母は野球の試合を見に来たりずっと応援してくれていた。「怖いところもあったけど優しくしてくれた。甲子園で本塁打を打っておばあちゃんに恩返ししたい」と心に誓っている。 ビッグルーキーの存在に上級生も負けていられない。下級生と上級生がガッチリかみ合い2度目の3連覇達成へ、チームの力は試合ごとに上がっていきそうだ。(前田泰子) ◆牟禮翔(むれ・しょう)2008年7月14日生まれ。岡山市出身。陵南小1年から「陵南平野」でソフトボールを始める。吉備中では陸上部に所属しながら、「ヤンキース岡山ヤング」に所属し全国大会で準優勝した。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。
西日本新聞社