市区町村の2割が人口増 地方創生で一定成果 政府まとめ
政府は10日、2020年の総人口が15年よりも増えている市区町村は317で、全1741市区町村の2割近くを占めるとの分析結果を公表した。転入者が転出者を上回る「社会増」が10年続く市区町村も122に上った。東京圏以外でも人口減少を食い止めている地域があることが浮き彫りになった。政府は雇用創出や移住支援といった地方創生の取り組みが一定の成果を上げたとみる。 【表で見る】推計よりも人口が上回った市区町村(上位100位) 政府が同日開いたデジタル田園都市国家構想実現会議で報告された。内閣府は「全地域で人口減少が加速して厳しいというイメージを持ちがちだが、必ずしもそうではない」と指摘。今後、人口が増えた地域の詳しい要因分析を進め、きめ細かい支援につなげていく方針だ。 15年に比べ20年の人口が増えている市区町村は、1都3県(埼玉、千葉、神奈川)を除いても219に上る。秋田県東成瀬村、徳島県藍住町、長崎県佐々町などの小規模町村などで増加していた。
推計上回ったのは4割強
13年時の人口推計を20年の実績が上回った市区町村は、全国で736と全体の4割超を占めた。1都3県を除いても610市町村。推計に比べた人口増加率が最も高かったのは鹿児島県十島村で、福岡県福津市、山梨県早川町が続いた。 14年から10年連続で社会増を実現したのは122市区町村。1都3県を除いても北海道東川町、福島県西郷村、長野県南箕輪村など47市町村あった。 こうした人口増加がみられる市町村は、外国人労働者の増加や都会のベットタウン、大規模な工場誘致などが要因になっている地域もある。一方、移住者を呼び込み地道に地域づくりを進めて、社会増などを達成した市町村も多く含まれている。
日本農業新聞