「命の危険を感じるような状況でした…」地鳴りのような音を立てる濁流「フルスロットルにしても進まない…」消防隊員が見た救助活動の現場とは…【台風19号災害から5年】
13日、午前4時ごろ。 畑さんによりますと、この時点で、水位は2メートルを超えていました。 畑大悟課長補佐: 「複数の住宅が結構流されてきていて、他の住宅にぶつかって止まっているような状況でしたので、これは通常の越水ではないなと思いまして、堤防の決壊の可能性ありという無線を通信指令課に送りました」 そこに飛び込んできた救助要請。 家族6人が取り残されているとの通報でした。 濁流の中、3人の隊員たちと現場に向かいました。 長野市消防局警防課 畑大悟課長補佐: 「船外機というエンジンはつけているんですけど、それをフルスロットルにしても前に進めないくらいの流れでした」 濁流で流れてきた木材や草などがボートのスクリューに絡まり、エンジンが何度も停止。 転覆の危険も感じたと言います。 畑大悟課長補佐: 「無事たどり着いたとしても安全に要救助者を乗せて救助活動するというのは実際かなり危険だと感じた」 畑さんたちは前に進むことを断念。 取り残された住民はその後、自衛隊のヘリによって無事、救出されました。 救助する側の安全をいかに確保するか。 痛感した課題です。 長野市消防局では、この災害を教訓に、大型の救助ボートや水陸両用のバギーを導入しました。 梶谷記者: 「入口のすぐそばに泥だらけになった車いすやファイルにが目につきます。現在職員の皆さんが片づけに追われています」 当時、浸水被害を受けた長野市の介護施設。 水や電気が使えなくなり、入所者をほかの施設や病院に移さざるを得ない状況になりました。 このとき調整と移送などにあたったのが、災害派遣医療チーム=DMATです。 日本DMATインストラクター 栁谷信之医師: 「機能がダウンしてしまった病院の入院患者、福祉施設の患者を安全に生活できる場所に移すことが主体になりました」 当時、県のDMATの本部で指揮をとった長野赤十字病院の栁谷信之(やなぎや・のぶゆき)医師。 災害時には、医療と福祉の連携が重要になると指摘します。 栁谷信之医師: 「自立した生活ができる人はいいかもしれないですが、福祉避難者はどうしても介護サービスが必須ですから、そういうところはできないので、福祉避難所みたいな計画があれば必要物資も用意できているでしょうし、医療と福祉、部署は違うにしても横のつながりを密にしてもらって情報共有をする」
信越放送
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