野外彫刻の魅力 県外にも届け、若手学芸員中心にガイドブック作製【宇部】
宇部市は、市内の彫刻巡りのガイドコース、彫刻の歴史、支える市民ボランティアの活動などをまとめた「彫刻のまちガイドブック UBE ART TRIP」を発行した。 大阪府箕面市出身で2年前から市の学芸員を務める山本結菜さん(28)が中心となり作製。これまでのUBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)で、県外への認知度と20~40歳代の来場者数の低迷が課題であることから、同世代としていかに同展や彫刻に興味を持ってもらえるかを視点に、構成や見せ方を考えた。 A5判24ページで、手に取りやすく、かばんに入れやすい手頃なサイズ。表紙には市民になじみ深い「蟻の城」ではなく、卵のフォームが特徴の「はじまりのはじまり」を採用した。 イラストをふんだんに使いながら、宇部が彫刻のまちとなった理由、その歴史と支えてきた市民活動などを示し、常盤公園、中心市街地、市全体のガイドコースを掲載。コースには彫刻の説明に、お薦めの観光、食事スポットを加えた。 1万部作製し、6000部は既に東京、大阪、福岡、広島の書店、観光案内所などで配布が始まっている。市内では山口宇部空港、ときわミュージアムのライブラリー、ときわ湖水ホールアートギャラリー、市文化振興課で配っており、同展ホームページではPDF版を見ることができる。 山本さんは「ただ彫刻を紹介するだけでなく、なぜ宇部が彫刻のまちになったのかを含めて知ってほしいという思いがあった。表紙を『はじまりのはじまり』にしたのは、目につきやすく手にしてもらえそうだったから。10月27日から始まる第30回展のPR、来場にもつながればうれしい」と話した。