転職先で毎日21時まで「サービス残業」を強要されています。「タイムカード」すらないのですが、どうすれば残業代を請求できますか? 業務日誌などは証拠になるでしょうか?
ひと昔前に比べて「サービス残業は違法」という意識は強くなりました。しかし、一部の会社ではいまだにサービス残業が横行しているのも事実です。 本記事では、サービス残業を強要される会社に転職してしまった人が、未払い残業代を請求する際に何を証拠にしたらよいのかについて解説します。絶対的な証拠である「タイムカード」がない場合、はたして方法はあるのでしょうか。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
毎日3時間サービス残業した場合の未払い残業代
まずは未払い残業代がいくらになるのか計算してみましょう。勤務時間は9時から18時、月所定労働日数は20日、月給32万円と仮定します。 1時間当たりの残業代 32万円÷8時間÷20日×1.25(賃金割増分)=2500円 1ヶ月当たりの残業代 2500円×3時間×20日=15万円 1ヶ月で15万円もの残業代が未払いとなっている計算結果になりました。これが1年間続いたとすると180万円です。これだけの労働の対価をドブに捨てていると思うとゾッとするのではないでしょうか。
タイムカード以外に証拠になるもの
タイムカードは従業員の出社、退社時間が継続的に記録されるものであり、未払い残業代を請求する際の重要な証拠となります。ただ、未払い残業代の証拠は総合的に判断されるので、タイムカードがなくても大丈夫です。ほかの証拠として、裁判官など第三者を納得させられるものを集めましょう。 具体的には次のようなものです。情報が重なれば重なるほど強固なものになるので、できるだけ多く集めましょう。 ■業務日誌 会社によっては業務日報を付けています。その日に自分がした仕事が記載されているので、与えられていた業務量を確認できます。業務終了時間まで記載されていれば、タイムカードに代わる有力な証拠となるでしょう。 ■業務メールの送受信履歴 仕事のメールの送受信履歴は、その時間に仕事をしていたことを証明できる証拠になります。会社のパソコンメールが望ましいのですが、個人のスマホでのやり取りの場合には業務内容を記載して、誰が見ても仕事のメールだと分かるようにしておきましょう。 ■会社パソコンのログイン履歴 会社のパソコンで仕事をしていた証拠になります。ただし、誰でも触れるパソコンの場合にはログインしていたのは自分だと特定できなければ意味がないので注意しましょう。 ■交通系ICカードの乗降車履歴 通勤の際に乗る交通機関の乗降車履歴など、毎日機械的に記録されているものを探してみましょう