第94回選抜高校野球 花巻東、春の便りに喜び 挑む「岩手から日本一」(その2止) /岩手
<センバツ高校野球> ◇新たな歴史を刻む 東北制し、神宮大会4強 昨年秋に主将の田代旭(2年)を中心に始動したチームは「新たな歴史を刻む」をモットーに秋季県大会に臨み、宣言通り快進撃を続けた。県大会で4年ぶりの優勝を果たすと東北地区大会でも優勝、各地区代表が出場する明治神宮大会(神宮)では初出場ながら4強入りを果たし、「強打の花巻東」を全国に知らしめた。 打撃力は県大会から発揮され、全4試合で2桁得点。夏の岩手大会決勝で敗れた盛岡大付との準決勝では、先頭打者の宮沢圭汰(同)が2打席連続本塁打を放つなど長打力が光った。 続く東北大会でも順当に勝ち進み、決勝で聖光学院(福島)を相手に初回に先制すると、3投手の継投で初優勝。勢いに乗って挑んだ神宮では準決勝で広陵(広島)に敗れたものの、佐々木麟太郎(1年)の高校通算49本目となる3点本塁打で一時同点に追いつくなど会場を沸かせた。 投手陣はエース左腕の万谷大輝(2年)を軸に、菊池興洋(同)や工藤翔大(同)らの継投で試合を組み立てる。 センバツでの最高成績は初出場だった09年の準優勝。米大リーグでも活躍する先輩たちに負けじと甲子園の舞台で新たな歴史を刻む。 ◇OBに大谷翔平や菊池雄星 他の運動部の活動も盛ん 1956年、花巻商業高校として創立した私立校。富士短大付属花巻高校と改称後、82年に谷村学院高校と統合し、花巻東と改めた。建学精神の「感謝・報恩・奉仕・勤勉・進取」を重視し、心豊かな情操を持ち、礼儀を重んじる品格ある人づくりを目指している。 2018年度にスポーツコースを新設。文武両道を基本に生涯にわたりスポーツに関わる人材育成に力を入れる。野球部は56年創部。甲子園は09年春に準優勝し、10回出場の夏は09年と13年に4強。OBに米大リーグ・エンゼルスに所属し、21年にア・リーグの最優秀選手(MVP)に選出された大谷翔平や、菊池雄星がいる。他の運動部の活動も盛んで、水泳部なども全国大会に出場する。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇センバツまでの軌跡 <秋季東北地区県大会花巻地区予選> 1回戦 ○13―0 遠野緑峰 準決勝 ○13―0 花巻農 決勝 ○11―0 花巻南 <秋季東北地区県大会> 2回戦 ○12―1 専大北上 準々決勝 ○19―11 黒沢尻工 準決勝 ○12―6 盛岡大付 決勝 ○19―9 久慈東 <秋季東北地区大会(宮城)> 2回戦 ○11―1 東日大昌平(福島) 準々決勝 ○ 8―2 仙台育英(宮城) 準決勝 ○ 4―3 八戸工大一(青森) 決勝 ○ 4―1 聖光学院(福島)