吉村洋文氏が日本維新の会代表選出馬表明「実がなる木を育てる土を耕す政党に」都構想にも含み
大阪府知事で日本維新の会の吉村洋文共同代表(49)が12日、大阪市の党本部で会見し、12月1日に実施される党代表選への立候補を表明した。 同党は衆院選での議席減を受け、代表選の実施を決定。馬場伸幸代表、藤田文武幹事長は出馬しない意向を示している。 吉村氏は冒頭、「日本維新の会の代表選の出馬を決意しました」と宣言。共同代表として、衆院選の結果責任を負う立場で立候補することが是なのかとしつつ、「強い危機感に基づくもの。日本維新の会の存在意義が揺らいでいる、見えにくくなってきているという思いを持っている」。国政政党としての同党が消滅しかねないとの危機意識と、党員からの思いを受け、立候補に至ったと理由を明かした。前日の午後8時に馬場氏に立候補の意向を連絡したという。 吉村氏は代表選で「次世代のため政党」「道州制を実現する政党」「永田町文化を変える政党」の3つの存在意義を訴えていくとし、それぞれに3つの方向性を示した。 「次世代」については「次世代のための社会保障改革」「次世代のための税制改革」「教育無償化」、「道州制」については「多極分散型成長国家」「州都候補の都市経済強化」「副首都の形成」、「永田町文化を変える」については「カネ、身分のあり方」「新しい政策決定のあり方」「新しい政党のあり方」を掲げ、「目の前のリンゴの実をもいでいくような政党ではなく、実がなる木を育てる土を耕す政党と思っている」と党の存在意義を訴えていくと語った。 現在の政党には、組織を健全に運営していくルールがないと指摘。ガバナンス委員会を設置し、カネの使い方や人事をチェックすると明言した。政治家同士の会食は「税を使って飲み食いするのは違う。5000円まで。世間の一般的なもので維新もこれに倣う。チェックが嫌なら自腹で」とキッパリ言い切った。 道州制を巡っては、維新はこれまで、その過程として大阪都構想を掲げてきたが、「決まっていることはないが、やらないと決まったものでもない」と3回目の実施に含みを持たせた。 代表に選ばれた場合は、自身が国会議員ではないため、共同代表を置くとの考えを示した。 国会でのスタンスについてはこれまで通り、是々非々の政策論争を行い、「目指すべきは与党過半数割れ」と主張。野党との選挙協力については「野合談合の選挙協力はやるべきじゃない」とした上で、「準決勝をやるべきだ」と候補者の予備選検討も示唆した。 大阪府知事との両立については「可能。若いんだから2人分働けばいい」。27年4月の任期満了まで務めるのが「当然のこと。それが政治家の役割」と語った。