さようなら「南勝線」 ”幻の路線”に思いをはせ ユニークなイベント挙行/岡山・真庭市
岡山県真庭市勝山と鳥取県倉吉市を結ぶ計画が進められていた国鉄「南勝線」について語り合うプロジェクトの第3弾が24日、真庭市勝山のJR中国勝山駅で開かれ、鉄道ファンたち約30人が”幻の路線”に思いをはせながらセレモニーを開き、話題に花を咲かせた。 【写真】アクリル板とペンキで駅標を制作する参加者
真庭市が主催し、文化コミュニティ・MANIWABAUM(マニワバウム)が運営、JR中国勝山駅が協力して実施。森の芸術祭の応援事業の一環として開催した同企画の最終は「路線の開通が実現したものの、残念なことに廃線になる」という架空の設定をつくり、実際の「ラストランセレモニー」を装ってみなで別れを惜しむユニークなイベントを“挙行”した。
式では市内外から集まった10~70代男女が「存続を!」といった横長のポスターなどを掲げて参加。プロジェクト顧問を務め、鉄道に関する解説を行ってきた就実大学の小西伸彦特任教授が「南勝線は真庭の人に夢と希望を与える。永遠に不滅です」とあいさつして場を盛り上げた後、最後は姫新線津山駅行きの列車を「最後の運行車両」に見立て、手作りの旗を振るなどして全員で「ありがとう」と声を上げて見送った。
第1弾から参加した勝山高校2年・山本翔汰さん(17)は「ジョークを交えた遊びが実現できたのがおもしろい。共通の趣味を持つ人と会話して教えてもらったこともたくさんあり、リラックスもできてとても楽しかった」と話していた。
このほか、参加者たちは建設される予定だった沿線の駅「美作二川駅」と「湯原駅」の駅標を協力して作った。同企画を発起した真庭市地域おこし協力隊の石橋整さん(34)は「これからもみなさんと一緒を掘り下げていきたい話題。最終的な目標は廃線跡地に似せたフォトスポットをつくり、地域の人に鉄道の存在を知ってもらうだけでなく、観光事業にもつなげていきたい」と語った。
津山朝日新聞社