校名が消える……プロも輩出・塔南最後の夏はコールド発進!140キロ右腕2人を擁する好チーム「甲子園に名前を刻みたい」【24年夏・京都大会】
<第106回全国高校野球選手権京都大会:塔南・開建 7-0 莵道(7回コールド)>◇7月11日◇わかさスタジアム京都 【トーナメント表】夏の京都大会 11日までの結果 塔南・開建が7回コールドで初戦を突破した。 塔南は森脇 亮介(西武)や駒月 仁人(元西武)などを輩出。甲子園出場経験こそないが、2021年秋の近畿大会に出場するなど、府内では安定して上位に進出している実力校だ。 昨年に塔南の校舎移転に伴い新たに開建が開校。3年生は塔南、1、2年生は開建のユニフォームを着用している。そのため、この夏が塔南の校名を背負って戦う最後の大会となる。この2校は校歌や校則も違っており、今大会で勝利した際には塔南の校歌を流すことになっている。 試合は序盤から塔南・開建が試合を優位に進める。1回表に二死満塁から6番・平良 皓亮(3年)の中前適時打で2点を先制。2回表にも2本の適時打で2点を追加した。 3回以降はなかなか追加点を奪えなかったが、7回表に一死一、二塁のチャンスを作ると、「真っすぐに張っていました」と平良が内角のストレートに上手く反応。打球は左翼ポール際への3ラン本塁打となり、大きな追加点を挙げた。 「(ダイヤモンドを)回っている時にスタンドも見えたんですけど、支えて下さった方も喜んでくれていたので、最後の大会で良い恩返しができたと思います」と話した平良。これが嬉しい公式戦初本塁打となった。
守りでも先発を任された背番号10の右腕・明石 龍哉(3年)が最速140キロのストレートと「意図的に投げている」という「真っスラ」を駆使して6回無失点。7回裏は最速143キロ右腕のエース・安原 悠真(3年)が三者凡退で締めて、快勝を収めた。 2つの校名で戦っているが、志は同じ。「塔南の最後の子たちが開建でやるような新しいことを始めてくれていることが嬉しい」と野口知紀監督は言う。現チームになってから頭髪が自由になり、自分たちでチーム理念を作るなど新たな土台作りに取り組んできた。 その集大成となる夏の大会。「塔南として出る最後の大会なので、甲子園に出たい思いはあります」と平良は意気込む。塔南の校名を甲子園に刻む最後の挑戦が始まった。