医療用特殊針メーカー「タスク」 来年4月に長崎で事業開始 新製品開発に意欲
患部の組織を採取する生体検査用の特殊な注射器「生検針」の国内有数メーカー、タスク(栃木県栃木市)は20日、長崎市内への立地協定を県市と締結した。長崎スタジアムシティ内に長崎支社を置き、来年4月から研究開発を始める。将来的には県内生産も視野に入れている。 調印式には大石賢吾知事と鈴木史朗市長が出席。川嶋健代表取締役は「新たな発想やアイデアを形にし、まだ世に出ていない新製品開発を進めていく」と意欲を述べた。 2024年3月期の売上高は60億5千万円。川嶋氏は、10年ほど前と比べ約7倍に拡大したとして「10年後には400億円にしたい」との目標も示した。 同社初の「支社」と位置付けた理由について、支社長に就く西田仁志経営管理部長は「研究開発にとどまらず、長崎県で生産できるくらいの規模になる希望を込めた」とした。研究開発分野に強い高度人材の獲得を目指し、5年間で12人を正社員雇用する予定。 同社によると、骨髄液・組織を採取する用途の生検針は国内トップシェアを誇る。もう一つの主力、美容針はヒアルロン酸注入などの施術に使われる。最近は視認性の良いシリンジ(注射筒)製造にも乗り出した。主な取引先はアジアや欧州など約30カ国に及び、売上高の約85%を海外が占める。全て栃木市で製造し輸出している。