“史上最悪の自然災害”ハワイの山火事 ノスタルジックな街並みが…シンボルツリーも焦げ… 被害拡大の理由とは?
■景色一変 一夜にしてラハイナの街が焼け野原のように…
ラハイナの街のシンボルの1つが「バニヤンの木」です。1本の幹からたくさんの枝が広がっていて、木陰で涼む人やイベントなども開かれてきました。 この木も火事の被害にあってしまいました。山火事の影響で生い茂っていた葉や幹までが焦げてしまい、景色は一変してしまいました。 さらに衛星写真を見ると山火事の前、ラハイナの街は緑豊かでカラフルな建物がたくさん並んでいましたが、山火事の翌日、9日に撮影された写真では建物が灰になり、街全体が廃墟と化し、焼け野原のようになっていることが見て取れます。一夜にして、ここまで焼き尽くされてしまったという感じです。 ここまで被害が広がってしまったのには、どんな理由があるのでしょうか。
■被害拡大のワケは…「高温」と「乾燥」 降水量が少なく島の約8割が「干ばつ」状態
実は、マウイ島では毎年のように山火事が起きていますが、専門家によると、今年は延焼のスピードが非常に速く、延焼の規模も大きいという特徴があるそうです。 被害が広がった要因の1つとして指摘されているのが「高温」と「乾燥」です。 マウイ島では今年、非常な高温に加え降水量が少なかったため、大気や土壌が極端に乾燥していた。実際に、島の約8割にのぼる地域で、土や植物に含まれる水分量が極端に少ない「干ばつ」状態が続いていました。 こういう状態の時は木などが燃えやすくなっているため、いったん火がつくと、大規模な山火事につながる条件がそろっていたということです。 実はここに、2つ目の要因が重なりました。
■被害拡大のワケは…「強風」と「地形」 ハリケーンの強風が山の斜面を吹き降りて…
山火事が発生する前に島の南側をハリケーンが通過したことにより、島全体が強風にさらされました。さらに、風は山の斜面を吹き降りる際にスピードが加わるため、山の麓に広がるラハイナの街まで、あっという間に燃え広がったとみられます。 山火事が発生した日、ラハイナの街で強風で火があおられている様子や、かなりのスピードで燃え広がっていく様子も映像に捉えられていました。 このように、高温と乾燥という気象条件に加えて、マウイ島の地形なども山火事をここまで拡大させてしまった要因になったとみられています。 ◇ 地元当局によると、山火事の8割方はほぼ鎮火したということですが、被害が大きすぎるため、その全容が明らかになるには、まだしばらく時間がかかりそうです。 今回のような地球温暖化による異常気象の影響は、ハワイだけでなく世界各地で、年を追うごとに深刻化しています。 (2023年8月11日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)