若月佑美、2024年の誓いは「もう一度自分を取り戻す」地上波連ドラ初主演で幕開け<セレブ男子は手に負えません>
若月佑美が主演を務めるドラマ「セレブ男子は手に負えません」(毎週土曜夜2:30-3:00ほか、テレビ朝日系/ABCテレビでは毎週日曜夜11:55-0:25)。同作は、連続ドラマと縦読みマンガWEBTOONが同時展開する、二度と恋をしないと誓うヒロインとくせ強セレブ男子の先読みできる新感覚ストーリー。WEBザテレビジョンでは、今作で地上波連ドラ初主演を務める若月にインタビュー。作品への思いや魅力、2024年の誓いについて語ってもらった。 【写真】若月佑美、髪をバッサリ切りクールな印象に ■“もう恋はしない”と誓った主人公が、くせ強セレブ男子たちと出会う 同作で若月は、幼いころから母の影響で結婚にあこがれを抱き、運命の男性に出会ったと思ったら、まさかの国際ロマンス詐欺に遭い、多額の借金を背負ってしまったひかるを演じる。劇中では、ひかるが“もう二度と恋はしない”と誓いを立て、借金を返済し人生を立て直すため、高収入で住み込みの仕事=高級ペントハウスの管理人としてくせ者だらけのスーパーセレブたちと共同生活を送る姿が描かれる。 そんなくせ強セレブ男子たちを演じるのが、鈴木康介、本田響矢、井手上漠、そして中尾暢樹。鈴木が世界的有名ブランドの次期社長である西園寺シオン役を、本田がピアニストの天羽律役を、井手上がファッションモデルのルカ役を、中尾が小児科医の神崎彰人役を務めている。 ■「主演ではあるけれど、引っ張るのではなくみんなと一緒に作れたらと」 ――今作の話を聞いた時の印象はいかがでしたか? “セレブ男子”というワードがまず面白そうだなと思いました。分かりやすくお金持ちというイメージはありますが、常識からちょっと外れているというか、お金持ちがゆえに突拍子もない考えをしているというか、そういうコミカルな方のセレブ男子を想像しました。 しかも、それが“手に負えない”ということは、それに巻き込まれ「そんなことも分からないんですか!?」といったところから始まっていく、面白いものになるのではないかという印象を受けました。 ――そこから実際に脚本を読んで、どんなところに魅力を感じましたか? 今回のストーリーは王道なものだと思います。今も少女漫画を原作としたドラマはありますが、最近は刑事ものや医療もの、どんでん返しのあるドラマが増え、王道なラブコメは少なくなっている気がして…。 もちろん、今流行っているドラマも大好きで、いち視聴者として面白いなと見ていますが、「花より男子」「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」などが流行っていた時代にテレビっ子だったので、またそういった王道のラブコメが見たいな、そしていつか自分も王道のラブコメに出演したいなと思っていました。 今回は結構ガッツリ王道な内容なので、少し遅い放送時間ではありますが、若い方にも見てもらえたらうれしいです。 ――今作が若月さんにとって地上波連ドラ初主演作ですが、プレッシャーは感じていましたか? 感じた方がいいのかもしれませんが(笑)、それほどありませんでした。 物語をぐいぐい引っ張っていくというよりも、セレブ男子たちの中に飛び込んで、そこでいろんな人の価値観に振り回されていくという役なので、ある意味丸腰で挑んだ方がいいかなと。役柄と同じように、私は主演ではあるけれど、引っ張るよりもみんなと一緒に作れたらと考えていました。 ■料理シーンのためにクランクイン前には練習も ――ご自身が演じる主人公・ひかるの印象はいかがでしょう? すごく良い人ですね。セレブ男子たちの事情に足を踏み入れすぎるところもありますが、その行動の理由が「助けたい」「何か力になりたい」「私に出来ることがあれば…」という気持ちなので、人を助けることが好きな子なんだろうなという印象です。その気持ちが空回りしすぎて、首を突っ込みすぎて怒られたり傷つけてしまったりすることもありますが…。 そもそも、給料が良いからと選んだ仕事ではありますが、管理人という裏で雑用をする職業を選んでいる時点で良い子ですよね。 そして、ヒロインは基本的に守られがちですが、一緒に過ごすセレブ男子たちの心を守るヒーローのような存在でもありたいなと思いながら演じていました。 ――ひかるとご自身とで、似ている部分はありますか? 私は、ひかるちゃんほど猪突猛進だったり、思ったことをすぐに行動に移したりはできないですが、人を助けたい、守りたいという考えは似ている部分だと思いました。 そして、体で守るのではなく、心で守っていきたいとずっと思っているので、そういう点においてはひかるちゃんの気持ちを理解できましたし、演じていてやりやすかったです。 ――逆に、演じる上での難しさはありましたか? 料理シーンは難しかったです。ですが、監督がすごく料理好きな方だったので、教えていただきながら撮影していくのは面白かったです。元々料理をするシーンがあると聞いていたので、クランクイン前はなるべく包丁を触って料理をして、中でもみじん切りや乱切りなどが多い料理を作るように意識していました。 あとは、天真らんまんさを出すのも大変でした。私は普段どちらかというとローな感じで生きているので、ひかるちゃんを演じる時はひとつギアをあげていました。そこは苦労もありましたが楽しかった点でもあります。 ――役に入る上で、料理以外で準備したり意識したりしていたことはありますか? 漫画が好きなので、読みながら「キャッチーでコミカル、天真らんまんな女の子」を勉強しました。あとは、韓国ドラマもとても好きなので、明るくてポジティブで負けん気の強い韓国ドラマの王道のヒロインから、ひかるちゃんに近い子をピックアップして見ていましたね。 ■共演者の印象を明かす「とにかく根が真面目な方が多くて」 ――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか? とにかく共演者の皆さんが真面目で。ハッピーな雰囲気はもちろんありましたが、それ以上に根が真面目な方が多くて、そこがとてもグッときました。役についても深く考えてくれて「こういうせりふの言い方をしたいんですけど、ひかるちゃん的にはどうですか?」と聞いてくれて。それがすごくうれしくて、自分もちゃんとセッションしていきたいと思わせてくれました。 あとは、皆さん年齢が若かったので、今の流行りを教えてもらいました! 特に井手上漠ちゃんは21歳でSNS世代なこともあり、写真の撮り方にとても詳しいんです。 ひかるちゃんが知らなかった世界をセレブ男子たちに教えてもらっていくように、大きさは違えど「写真は撮れたらいい」と思っていた私も、1個1個こだわることがクリエイティブに繋がっていくのだと学ばせてもらいました。 そして漠ちゃんは、21歳なのにとても達観していて、受け入れ体制も吸収の仕方もすごかったので、話していていろいろな概念を捨てられました。気づかないうちに自分の中に固定概念が出来てしまっていたのだなと、役の中でも実際でも気づかせてもらえて、話していて人としてとても勉強になる方でした。 ――他のお三方についても、共演してみての印象を教えてください。 鈴木くんはプロですね。一番真面目で、役に対しての向き合い方がすさまじかったです。ノートに、ドラマでは描かれていないバックボーンを自分で考えて書いていらっしゃって、本当に尊敬しました。あとは、普段がふわっとしたかわいらしい感じの方なのですが、せりふを発した途端に、一気にドSで冷徹なシオンの雰囲気が出てくるところがかっこよかったです。 本田くんは、よく人を見ている方ですね。楽屋にいる時だけではなく、お芝居も人を見て演じる方だなという印象です。自分がどうありたいかよりも、この状況でどうアプローチしたら効果的かを考えられる方で、客観視しながらずっと現場にいたのはすごいと感じました。 中尾くんについては、共演が二度目になるので「中尾くんがいたら明るい現場になるぞ」と前々から思っていました。その通り、ムードメーカーとして頼らせていただきました。ただ、私の次に年齢が上なので大人な部分もとてもあり、みんなが迷っている時にはスパッと答えを出してくれて、とてもありがたかったです。 ■2024年は「もう一度自分を取り戻す」年に ――ひかるの唯一の特技が料理ですが、若月さんの料理の腕前はいかがですか? 可もなく不可もなくです(笑)。創作料理が多く、冷蔵庫を開けて「賞味期限が近いから、これとこれを使おう」と料理を作ることが多いので、これといって得意料理はないのですが、最近はローストビーフを作るのが好きです。 シェフの方がYouTubeで解説してくれている動画もあるので、それを見て作っています。コツを知っているのと知らずに作っているのとでは全く出来が違ったので、それもあってローストビーフを作るのが好きになりました。 ――ひかるにとっての料理のように、若月さんの特技はありますか? オンオフの激しさというか、存在を消して人に気付かれないという特技はあります(笑)。 知り合いにも気付かれないですし、ドラマの現場でも「〇〇さんお呼びして!」「ここにいます!」というやり取りが起こりますし、マネジャーが私に気付かないこともあります。 最近は、気付かないうちに横にいるというのが一番面白いなと。正直、びっくりさせることに快感を覚え始めてきています(笑)。 ――ロマンス詐欺にあったことで、ひかるは「もう恋はしない」と誓いますが、若月さん自身の2024年の誓いがあれば教えてください。 2023年は「フッ軽」(フットワークを軽くする)を誓ったんです。本当にスケジュールが合わない時以外、疲れていても誘われたら絶対に断らないということをしていました。そのおかげで、相手の知らなかった一面や新しい世界を知ることができました。すごく面白かったです。 2024年は…、「もう一度自分を取り戻す」年にします。 いろいろなことにおいて、容姿もそうですが、たくさんのことを知る中で「客観的に見てこっちの方がいいのかな?」と考えていくようになったのですが、年始早々にバッサリ髪を切り、自分の中で“自分らしい”に近づいた気がしたんです。 もちろん、髪を伸ばしていた時もそれが嫌ではありませんでしたが、髪が長い方が雑誌においてはアレンジしやすく特集を組んでもらいやすいですし、役柄においては髪を縛ることも、巻いて派手にすることもしやすいのでいいかなと思っていました。 ただ、今回は役で切ってしまいましたし、これが自分としてもしっくりきているので、2024年は「どうあるべきか」ではなく「どういたいか」で生きてみようかなと思っています。 ■撮影=阿部岳人 ヘア&メーク=永田紫織[nous] スタイリスト=蔵之下由衣