広くて、走りもいい!実力派が揃う【軽ハイトワゴンのおすすめ3台 2024-2025年版】ハスラー、Nワゴン、ムーヴキャンバスの特徴を紹介
全軽自協の調べによると、2024年4月から9月までの軽自動車新車販売ランキングは、ホンダN-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントの順で軽スーパーハイトワゴンが上位ベスト3を占めている。その後に続くのが、軽スーパーハイトワゴンよりも少し背が低い軽ハイトワゴンで、十分に広いキャビンと個性的なキャラを備えているモデルが多い。ここでは、2024年末時点での軽ハイトワゴンのおすすめ3台をピックアップした。 【写真】軽ハイトワゴンのおすすめ3台、ハスラー、Nワゴン、ムーヴキャンバスの特徴 TEXT:塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro) 軽スーパーハイトワゴン全盛の今でも軽ハイトワゴンの光る美点 軽ハイトワゴンの元祖は、1993年に発売されたスズキ・ワゴンRで、それまでのルーフだけ高めたバンのような背高系とは異なり、車高の高いスクエアボディに、アップライトな着座姿勢を採用し、高い快適性が担保されていた。それまで一部の軽スポーツカーなどをのぞき、軽自動車では少数派だった熟年男性層も取り込み、大ヒットモデルになった。ダイハツ・ムーヴなどのフォロワーも生んできた。 現在は、冒頭で紹介したようにN-BOXやスペーシアのような軽スーパーハイトワゴンが存在するが、元々、軽ハイトワゴンも全高(室内高)の余裕を活かしたパッケージングが特徴であり、車内の広さは十分。後席に小さな子どもを座らせるわけではなく、後席を倒して自転車などの大きな荷物を積むのでもないのなら軽ハイトワゴンでも使い勝手は十分に高いはずだ。軽スーパーハイトワゴンよりも全高が低い分、操縦安定性などの走りが有利になるほか、車両重量も軽く、実用燃費の面でもより期待できる。 【オススメその1】雪国やアウトドア派にもおすすめの「スズキ・ハスラー」 おすすめ1台目は、典型的な2BOXスタイルが与えられた現行ハスラー。初代からキープコンセプトとなる内外装デザインだが、ホイールベースの延長(35mm)により後席足元スペースも拡大。前席は、左右乗員間距離を30mm広がり、大人4人でも無理なく座れるパッケージングを実現している。積載性も高く、後席前倒しにフラットになるのはもちろん、スズキのお家芸である助手席背もたれの前倒し機構も用意。操作性も良好で、後席スライドは荷室側からも操作できる。助手席の背もたれも前に倒せば、スキー板やサーフボード、釣り竿などの長尺物もアイテムによっては積載できるため、アウトドアなど趣味の相棒としても最適だ。後席の背面やラゲッジの床面は、汚れをふき取りやすい素材が採用され、荷室下には防汚タイプラゲッジアンダーボックスも用意されている。さらに、ラゲッジボードを外せば荷室高を稼げるため、背の高い荷物を収納することが可能だ。このボックスは、脱着可能で洗うこともできるため、汚れたり濡れたりしたアイテムを積むのに向いている。 そのほか、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)の標準化、4WDにはスノーモードやヒルディセントコントロール、グリップコントロールを備え、降雪地域の方やウインタースポーツを頻繁に楽しむ層にとって頼れる存在になっている。そして、ハスラーの大きな特徴である180mmという最低地上高も雪国やアウトドア派にとって頼もしいはずで、高い機動力も備えている。 【オススメ その2】軽唯一のチルト&テレスコピックを備える「ホンダN-WGN」 ホンダでは、王者N-BOXの影に隠れているものの、N-WGNも見逃せない選択肢だ。軽唯一となるチルト&テレスコピックを備えているため、最も適切な運転姿勢が取れるモデルだ。軽のステアリングが遠くに感じられるのは、ステアリングを上下だけでなく、前後にも動かせるチルト&テレスコピックを備えていないためで、N-WGNは主査の良識により実現している。適切なドライビングポジションが取れるため、緊急時の回避操作がしやすいだけでなく、無用な疲れを誘いにくい。運転もしやすく感じられるはずで、とくにテレスコピックが付いた車種からのダウンサイザーにもおすすめできる。 また、ホンダ自慢のセンタータンクレイアウトによる後席足元の広さ、ドア開口部の工夫により後席の乗降性も良好。積載性は、荷室を上下に仕切れる2段ラックモード、ローフロアモード、後席を前倒しした際の段差を抑えたビッグラゲッジモードに使い分けられるラゲッジボードが特徴だ。自転車などの大きな荷物を出し入れするには向かないが、ポリタンクや観葉植物などの背の高い荷物にも対応する。そのほか、アダプティブクルーズコントロールやオートブレーキホールド付電子制御パーキングブレーキなども標準装備されている。 【オススメ その3】軽ハイトワゴンで初めて両側スライドドアを採用した「ムーヴキャンバス」 本来、ダイハツからは新型ムーヴをピックアップしたいところだったが、認証不正問題で発売が延期されたといわれるため、ムーヴキャンバスを推したい。初代は全高1700mm以下で初めて両側スライドドアを備え、スマッシュヒットを飛ばした。その後、スズキがワゴンRスマイルを投入し、軽ハイトワゴンでも両側スライドドアを実現している。初代ムーヴキャンバスの登場から約5年後に投入されたワゴンRスマイルを比較すると、走りの洗練度やラゲッジの使い勝手などで初代ムーヴキャンバスが不利だったが、「DNGA」化されたことで、動的質感を引き上げている。 また、初代のコンセプトを受け継ぐ「ストライプス」と男性ユーザーも見据えた「セオリー」を設定し、上質な内外装に加え、両側スライドドアの利便性や乗降性、後席床下の引き出し式収納「置きラクボックス」の採用など、普段使いのしやすさを重視。後席の左右分割リクライニングや240mmロングスライド、ラゲッジアンダーボックスを備えるなど、シートアレンジ、積載性のバリエーションも十分に用意されている。そのほか、ターボにアダプティブクルーズコントロールやレーンキープコントロールを標準化するなど、ターボとNAに装備差を付けることで、価格面も含めてユーザーの選択肢を豊富に用意しているのも特徴だ。
塚田 勝弘
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