京都の古道具屋「ものや」 27歳のふたりの「ガラクタも“アリ”に見せる」セレクト感覚
京都市北区に店を構える「ものや」は、櫻井仁紀さんと吉田拓史さんによる古道具屋兼デザインスタジオだ。二人は京都工芸繊維大学で出会った同級生で、大学在学中の2018年からともに店を続けている。 【画像】京都の古道具屋「ものや」 27歳のふたりの「ガラクタも“アリ”に見せる」セレクト感覚
店頭には、インテリアから灰皿やテープカッター、時にはひと目で用途が分からないガラクタのような雑貨までが並ぶ。デザインも北欧のムードが漂うスタイリッシュなものから、昔懐かしのチャーミングなものまでさまざま。独自のフィルターを通したユニークなセレクトで、共感する人を増やしている。
今年5月の渋谷ヒカリエに続き、12月1~3日の期間は、中目黒のみどり壮ギャラリーでポップアップを開催する。東京での出店が増えたことでECサイトも動くようになったが、いまだに6~7割の商品は店頭で売れるという。来店客は、京都の中心街から離れたこの店を目掛けて足を運んでくるのだ。そんな「ものや」の審美眼はどのように磨かれてきたのだろうか。そのセレクト感覚と店の歩みに迫った。
■「ものや」&「物百」 合同ポップアップ「什器」 会期:12月1~3日 場所:中目黒みどり荘 ギャラリー 住所:東京都中目黒青葉台3-11 3階 営業時間:12~21時
「ものや」の仕入れの極意
「提案することで“ギリあり”になるか?」
「ものや」は、櫻井さんがプロダクトデザインを請け負う「スタジオものや」などでクライアントワークを、吉田さんがワインバーなどで勤務しながら、金~日曜日の3日間のみ店を開けている。価格帯は雑貨が500円~、オブジェのようなものは5000~1万円、家具は2~3万円ほどだ。
店に並ぶものは、ほとんど全国のリサイクルショップで買いつけたものだという。「リサイクルショップで探すと、『ナショナル』や『サンヨー』などの日本のメーカーのレトロな照明や、1990年代のイケア(IKEA)の家具など、掘り出しものが多く集まる。ほどよく野暮ったいものや笑ってしまうようなものに出合えるのも魅力」。