月9は「キムタク」に頼り過ぎていた…恋愛ドラマで復活したいフジテレビの思惑
復調して安定した人気を誇っていた「月9」が再び低迷期に突入しました。 前編『再び低迷する「月9」視聴率…フジテレビの「恋愛ドラマ全盛期」はとっくに昔に過ぎていた』で見たように、「月9」作品の全話平均視聴率が高かったのは、1990年代から2000年代前半のものでした。 【写真】裏切り者、痛々しい「人気ガタ落ち」だったキムタクが「大復活」を遂げた理由
キムタク人気が「月9」を牽引していた時代
前編で紹介した視聴率トップ10を見ると1990年代から2000年代前半が全盛期だったことは一目瞭然。 しかし裏を返せば、2000年代中盤からブランド力が低下していったとも考えられます。 さまざまな原因が複雑に絡み合っているとは思いますが、「キムタク」と「恋愛ドラマ」が絶対的な人気ではなくなっていったことは無関係ではないでしょう。 今なお第一線の主演俳優として君臨しているキムタクこと木村拓哉さんですが、ランキングでは主演作が1位、2位、3位を独占し、トップ10のなかで主演作は4本。主要キャラとして出演していた『あすなろ白書』も含めれば5本にのぼりますので、半数がキムタク出演作品となっているわけです。 1990年代後半から2000年代前半の彼の人気はいい意味で異常なレベルでした。決して2000年代中盤以降にキムタク人気がなくなったわけではなく、それ以降もかなりの大人気俳優として主演作を量産していきますが、ただ1990年代後半から2000年代前半の大ブームは落ち着いていったということです。 最盛期のキムタクドラマは全話平均視聴率25%超えが当たり前でしたが、「月9」で25%超えを果たしたのは2004年の『プライド』が最後で、それ以降の『エンジン』(2005年)や『CHANGE』(2008年)は20%超えを記録するも25%には届かず。 全話平均で20%超えでも充分すぎるほどの大ヒットと言えますが、往時のキムタクブームが終焉したことを物語っていたと言えるでしょう。 さらに2010年の『月の恋人~Moon Lovers~』では、とうとう20%にも届かなくなってしまっていました。実は、『月の恋人~Moon Lovers~』は木村さんにとって約10年ぶりとなる本格恋愛ドラマだったため、この作品は恋愛ドラマも低迷しつつあったことを物語っていたのです。