『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』劇中シーンをガンプラで完全再現、SNS驚がくの“分身”のからくりとは?
■20年越しにすべてを払拭するディスティニーガンダムの活躍「モヤモヤ晴れた」
――制作時に気を付けたこと、心がけたこと、こだわりを教えてください。 【タカハシ】劇中の風景を自宅で完全再現する、これに尽きます。とにかくできる限り、劇中の活躍を連想させるような構図やポージングを意識しました。また、余計な物が鏡に映らないように鏡の向きを徹底的に検証しました。しかし実際にやってみると、カメラや自分などが映ってしまうばかりで、ギリギリ映るか映らないかの絶妙なアングルを探すのに苦労しました。 ――確かに本作は、撮影されているご自身などが映らない、見事なアングルですね。ちなみに、本作でモチーフにされたデスティニーガンダムはご自身にとってなにか特別な思い入れがあったのですか? 【タカハシ】『SEED FREEDOM』を見て、印象が大きく変わったMSだなと思いました。『SEED DESTINY』(2004年に放送された本作の正編)の時、機体自体は好きだったのですが、パイロットのシンの境遇がかわいそうなのもあって悲しい役回りになってしまったという印象でした。今作はそれを全て払拭するような活躍ぶりで20年越しにモヤモヤが晴れた気持ちになりました。 ――確かに、ご自身同様の感想を持った方も多そうですね。本作をはじめ、『SEED FREEDOM』公開後、登場機体のカスタムガンプラがSNSなどで続々と発表されています。こうした他のモデラーさんの作品はどのようにご覧になっていますか? 【タカハシ】そうですね。同じガンプラでも人によって全然アプローチが違うので、さまざまな価値観があることを気付かされますね。正解なんてなくて、自分とは全く違う楽しみ方をしている方を見つけると、とても刺激になります。 ――ご自身も、XやYouTubeでさまざまな情報の発信をされており、多くのモデラーさんに刺激を与えている立場だと思いますが、こうした活動のモチベーションはどんなところにありますか? 【タカハシ】ガンプラってホント楽しい趣味なのでもっといろんな人にガンプラに触れてほしいと思う気持ちで発信しています。塗装しないとダメなんじゃないかとか、手先が器用じゃないとできないとか、ガンプラは敷居が高いというイメージをお持ちの方が多いのではないかと思っています。でも実際はそんなことは全くなくて、最近のガンプラは説明書通りに組み立てるだけでも十分にかっこいいものができますし、楽しみ方も無限にあります。ガンプラは難しい、そういった固定概念を少しでもなくせればなと思っています。 ――素晴らしい想いを持って活動されているんですね。では最後に、ご自身にとって「ガンプラ」とは? 【タカハシ】自分自身、作品作りにおいて一番重点を置いているのは「楽しんでいるかどうか」。やっぱり楽しんで作っているときの方が、良い作品が作れる気がしますし、「楽しんだもの勝ち」だと思います。そういう意味でガンプラは、人生を豊かにしてくれる生涯の「相棒」ですね。これがない生活は考えられないです。