【移動平均線の活用術】「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」…交差から〈売買タイミング〉を読む!
株価のトレンドの反転を察知するサインのひとつとして、長期線と短期線、2種類の移動平均線を組み合わせて相場を分析する「ゴールデンクロス」「デッドクロス」が知られています。実際の読み方と、活用における注意点を見ていきましょう。本連載は、経済ジャーナリストの和島英樹氏監修『いちからわかる!株入門 2024年新NISA対応版』(インプレス)より一部を抜粋・再編集したものです。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
買いどき・売りどきのサイン
長期線と短期線、2種類の移動平均線を組み合わせて相場を分析する方法に「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」があります。 これらは株価の上昇から下降、下降から上昇など、トレンドの反転を察知するサインとして使われています。 「ゴールデンクロス」は短期線が長期線を下から上に突き抜けている状態を指します。短期での買いの勢いが強く、価格傾向が下落か横ばいから、上昇に転じた際によく出現します。これから株価が上昇していくことが期待されるため、ゴールデンクロスが現れた銘柄は買いどきであるといえます。 一方、「デッドクロス」は短期線が長期線を上から下に突き抜けている状態を指します。デッドクロスが出現した銘柄は、それまで上昇傾向だったトレンドが短期の売りに押されて下落に転じており、今後も下落が続くと予想されます。そのため、デッドクロスは売りのサインとして使用されているのです。 ゴールデンクロスやデッドクロスは、日足チャートの場合、5日移動平均線と25日移動平均線の組み合わせや、25日移動平均線と75日移動平均線の組み合わせで使われることが一般的です。
他の指標と組み合わせ、クロスの「ダマシ」を見抜く!
ゴールデンクロスやデッドクロスが出現したからといって、株価が必ず理論どおりの動きをするとは限りません。テクニカル分析全般にいえることですが、通常とは逆の値動きをする相場の「ダマシ」には注意しましょう。ゴールデンクロスやデッドクロスのダマシを見抜くには、移動平均線の交差する角度を見るのも方法の1つです。 また、移動平均線を用いたこの手法は、ローソク足の動きとタイムラグがあります。サインが出た時点ですでにトレンドが終わっている可能性も考えられます。 ゴールデンクロスやデッドクロスを有効活用するには、これら単一の指標だけでなく、ほかのテクニカル指標を組み合わせ、総合的に判断することが大切です。 POINT! クロスが急なほど信頼できる 短期線と長期線のクロスが急なほど、ゴールデンクロスやデッドクロスの信頼性は高いといえます。クロスが浅いサインはダマシの可能性があるので注意しましょう。 ◆クロスの形で売り・買いのサインを読み解く ★ゴールデンクロス★ 短期線が長期線を下から上に突き抜ける → 短期での買いの勢いが強い=これから上昇していくサイン! ★デッドクロス★ 短期線が長期線を上から下に突き抜ける → 短期での売りの勢いが強い=これから下落していくサイン! ★ゴールデンクロス・デッドクロス発生の例★ 和島 英樹 経済ジャーナリスト
和島 英樹