高知で極上の「田舎」にどっぷり漬かって 「退屈で何もない」→「自然あふれた地域」に再定義
極上の「田舎」にどっぷり漬かり、日常を忘れて心からの息抜きを―。 高知県が4月から新たな観光キャンペーンの展開を始めた。 キャッチフレーズは「極上の田舎、高知。」。 退屈で何もないという意味で使われがちな田舎という単語を、穏やかで自然にあふれ、独自性を持った地域と再定義した。滞在日数増加とリピート率の向上を目標に掲げ、過疎化が進む中山間地域の振興につなげる狙いだ。 キャンペーンは本年度から4年間。伝統の皿鉢(さわち)料理を囲みながら地酒で献杯・返杯を楽しめるプランやカツオのわら焼き体験、エビやカニのかご漁を体験できるプランが売りだ。 県出身の漫画家やなせたかしさん夫妻を題材にした2025年度前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」と連携したPRも予定している。 漁師町のスナックで客と店主がグラス片手に楽しそうに語らう様子や、約1600万年前の地層がむき出しになった雄々しい室戸岬の写真をあしらったキャンペーン用ポスターも用意した。
県では面積の約9割を山間部など平地の少ない中山間地域が占める。人口減少は深刻で、民間組織「人口戦略会議」が4月に公表した報告書では、県内34市町村のうち25市町村が消滅する可能性があるとされた。 県は地域の魅力を伝えられる企画を展開することで産業の活性化を図りたいとしている。 担当者は「伝統的な祭りやきれいな川、日本一の森林率など自然を守りながら暮らす文化が根付いている。ぜひ足を延ばしてほしい」と呼びかけている。