カタルーニャの食文化楽しむフード・ガーデン開催
東京・渋谷駅近くにある「渋谷キャスト ガーデン」で11月22日から2日間、スペイン東部カタルーニャ州の豊かな食文化を体験するイベント「カタルーニャ・フード・ガーデン」が開催された。主催はPRODECA(カタルーニャ州アグリフード輸出促進機構)。 特に来場者の人気を集めたのがフィンガーフード「ピンチョス」の無料提供。提供されたピンチョスは、日本でピンチョスを普及させた功労者であるカタルーニャ州出身のシェフ、ジョセップ・バラオナ氏によるもので、ホタテ貝やホウレンソウなど海の幸や野菜などを組み合わせたピンチョスなど三種類。
ピンチョスは、もともとスペイン北部バスク地方のバル街の名物料理がもとになり、1990年代頃からスペイン各地で人気となった。1997年に東京で自らのレストランを持ったバラオナさんは、数年後にその店をピンチョス専門店に衣替えした。2005年の愛知万博ではスペイン・パビリオンの「食」を総合的にプロデュース。バラオナさんを含めスペインの一流シェフ13人の料理を使って、タパス(小皿料理)やピンチョスを提供した。ピンチョはスペイン語で串や楊枝を意味する。その複数形である「ピンチョス」は、串や楊枝で刺すなどして指先でつまんで食べられるサイズの様々な料理をさす。 また会場では、カタルーニャ産の食品やワインの販売コーナー、タパスを販売する店舗が設置された。店舗で販売されたタパスは、トマトとオリーブオイルを塗ったパン「パントマカ」や「ソパ・デ・ガレッツ」(パスタ入りスープ)など。
会場に姿を見せたPRODECA代表のラモン・センマルティ氏は「カタルーニャの典型的な食を知ってもらえればうれしい。これをきっかけにカタルーニャのすばらしい食材の数々に興味をもってもらえたらと期待する」と語る。 2025年にはカタルーニャ州で、国際ガストロノミー・文化・観光協会が選定する「世界ガストロノミー地域2025」の名の下に様々な美食の催しが行われる予定。センマルティ氏は「ぜひ多くの日本の皆さんにカタルーニャを訪れ、美食を味わってほしい」と話していた。 特設ステージではギター、アコーディオンによるライブ演奏も行われた。クリスマスが近づくシーズンとあって、カタルーニャのビリャンシーコ(クリスマスソング)が演奏され、多くの来場者が耳を傾けていた。 カタルーニャの食文化を発信するイベントは12月上旬にも行われる。「カタルーニャ ガストロノミーWEEK」として、東京都内のカタルーニャとゆかりがある10か所のレストランで特別なメニューが提供される予定だ。