ベルギー、植民地時代の混血児隔離に国家責任 高裁判決
[ブリュッセル 2日 ロイター] - ブリュッセルの控訴裁判所(高裁)は2日、ベルギー領コンゴの植民地時代に欧州とアフリカの混血児「メティス」の子どもたちを母親から組織的に連れ去ったことについて、国家に責任を問う判決を下した。 この訴訟は、ベルギー領コンゴで7歳になる前に母親から強制的に引き離された女性5人が起こした。裁判所は、黒人の母親と白人の父親の間に生まれた子どもを家族から引き離すため、ベルギー政府が策定した意図的で組織的な計画の一部と判断した。 ベルギーは2019年、1959年─62年にコンゴから数千人の混血児を連れ去り、自国のカトリック系学校や孤児院に収容した隔離政策について国の役割を初めて認め、公式に謝罪した。 控訴裁は「ベルギー国家による拉致は、国際法の下で人道に対する罪となる非人道的かつ迫害的な行為である」と指摘。政府に原告らが受けた精神的被害に対する賠償を命じた。被害には、母親とのつながりの喪失、アイデンティティーの崩壊、文化的遺産との断絶などが含まれる。 今回の判決では時効とされた21年の判断が覆えされた。