「六本木アートナイト2024」が9月開催! 国内外のアーティスト6組や台湾のアートにフォーカスする新プログラムも
約30組のアーティストによる約40のプログラムが開催予定。国内外のアーティスト6組を展示する「RAN Picks」、様々な国や地域のアートに注目する「RANFocus」が部門が新設される
六本木の街を舞台に繰り広げられる、都市とアートとミライのお祭り「六本木アートナイト2024」が、9月27日~29日に開催される。 13回目を迎える今回は、メインアーティストを中心に構成してきたこれまでのかたちから「六本木アートナイト」が注目する国内外のアーティスト6組を「RAN Picks」として六本木ヒルズ、国立新美術館、東京ミッドタウンなど各所で展示するモデルに変わる。また、開催回ごとに様々な国や地域のアートに注目する「RANFocus」も新設し、今年は台湾のアートにフォーカスする。 RAN Picksには、以下6組のアーティストが参加する。 アトリエ シス(ATELIER SISU)《エフェメラル コレクション》 展示場所:六本木ヒルズアリーナ ペルー人彫刻家レンゾ・B・ラリヴィエールとオーストラリア人アーティストのザラ・パスフィールドが率いるアートスタジオ。実験的な環境、インスタレーション、ユニークな彫刻作品を制作している。《エフェメラル コレクション》は、光と音の没入型の作品。泡という視覚的形態を通じて儚さと無常の概念を捉える。色を反射する素材で構築されており、観客は昼と夜で異なる方法で作品を体験することができる。 ジェニファー・ウェン・マ《無題―インクのリズム》 展示場所:国立新美術館 1階アトリウム シンガポール・ビエンナーレ(2006)、ユーレンス現代芸術センター(北京、2012)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク、2015)など、数多くの展覧会やビエンナーレで作品を展示しているジェニファー・ウェン・マ。本作は、黒を基調に彩られた、高さ2mを超える巨大な紙の彫刻。波打つ形状が独特なリズムを作り出すだけではなく、作品の色彩が国立新美術館のガラス越しに見える木々と呼応し、床にも大きな作品が写りこむことで、展示会場に溶け込みつつ強い存在感を放つ。 髙橋匡太《ポンギリング ―ひかりの花のパレード ―》(仮) 実施場所:国立新美術館、東京ミッドタウン、六本木ヒルズアリーナ、六本木各地 光や映像を用いた公共空間でのインスタレーションからパフォーマンスまで幅広い活動を国内外で実施している髙橋匡太。本作では、多数の人々が光る花型のうきわを身に着け、国立新美術館から東京ミッドタウンを通過し、六本木を練り歩く。パフォーマーによる語りや音楽に導かれた参加者たちが歩を進めるごとに、うきわはLEDライトで鮮やかに色を変えていき、六本木ヒルズアリーナでフィナーレを迎える。都会の雑多な夜景を幻想的な光景へと一変させる一夜限りのパレードだ。 チェン・プー(陳普)チェン・プー(陳普)《モスモ》(仮) 展示場所:東京ミッドタウン プラザ1階 形態学や生物考古学の視点を結び付け、絵画を創作の起点としながらもデジタル・メディアを駆使した多様な作品を制作しているチェン・プー。本作は彼のオリジナル・キャラクター「モスモ」の彫刻であり、都市と自然生態系のバランスやつながりを表現している。スマートフォンを通して、広場に生い茂るバーチャルな植物を見ることもできる。モスモとのインタラクティブな体験を楽しみたい。 ツァイ&ヨシカワ :RAN Picks/RAN Focus 展示場所:六本木ヒルズ ウェストウォーク2階 地球上のすべての生命にとって不可欠な水、光、空気などのエネルギーを表現する彫刻を制作しているツァイ&ヨシカワ。蛍光塗料で塗装された奇妙な大輪のアルミニウムの花は、昼間は太陽光で色鮮やかに輝き、夜になるとブラックライトで眩く発光し、昼と夜の顔を持つ生命体を創り出す。「私たちの彫刻とアートインスタレーションは、光と空気の動きと相互作用する触媒であり、夢と希望を生み出す物理的な形なのです」。 メイメージダンス :RAN Picks/RAN Focus 展示場所:六本木ヒルズアリーナ 2010年に振付師ホ・シャオメイによって設立された現代舞踊団であり、力強いビジュアルと文化的要素を用いるスタイルを特徴としているメイメージダンス。台湾における西洋文化と東洋文化の遭遇を表現した《沈黙の島―新たなる楽園―》(2017初演)を、六本木アートナイト用に再構成し上演する。本作では、明るさと暗さや猥雑さ、台湾のコスプレ文化と、異なる文化が入り混じり、一体となって独特の世界を作り出す。 台湾のアートにフォーカスする「RAN Focus」では、1960年代の京劇映画やツァイ・ミンリャン(蔡明亮)の映画作品からインスピレーションを受け、自らの性自認を流動化させ、クィア姉妹として人間の性的解放への道をダンスで応援すべく、パフォーマンスや映像作品制作を行うウォーターメロン・シスターズ(西瓜姉妹)や、台湾のビデオ・アートのパイオニアであり、台北ビエンナーレ(1996、1998、2002)、ヴェネチア・ビエンナーレ台湾館(2003、2024)、あいちトリエンナーレ2019などに参加したユェン・グァンミン(袁廣鳴)などが参加する。 「スイッチを押すと始まる一瞬の演劇」を六本木の街のあちこちに設置する、スイッチ総研《六本木アートナイトスイッチ2024》や、古い家電で祭囃子を奏でるエレクトロニコス・ファンタスティコス!《電磁盆踊り》、杉謙太郎のパフォーマンス《六本木の花》など、約30組のアーティストによる約40のプログラムがくりひろげられる。詳細はウェブサイトをチェックしてほしい。
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