【世界卓球】中国が新記録のV11達成。フランスはA.ルブランが健闘するも準優勝
◇世界卓球2024(団体戦) 2月16~25日 韓国・釜山 2月25日 ●男子決勝 〈中国 3-0 フランス〉 ◯王楚欽 4、8、3 F.ルブラン ◯樊振東 -9、4、-8、10、7 A.ルブラン ◯馬龍 -7、2、4、6 ゴーズィ 男子優勝は中国、フランスを3-0で退け、2001年大会からの11連覇を達成!!
出足から抜群の集中力の王楚欽、F.ルブランを下す
試合前のオーダー交換で、エースのF.ルブランを1番と4番に使える「ABC」(中国はXYZ)を選択できたフランス。中国から勝利を収めるためには、トップのF.ルブランの勝利が絶対条件だった。 しかし、トップを落とすとどうなるか、準決勝の韓国戦で思い知らされている中国は、トップ王楚欽が出足から抜群の集中力。一方、初の決勝のトップという大舞台で、F.ルブランはやや動きが硬く、普段は出ないようなミスを連発。特にフォアのオーバーミスが多く、1ゲーム目を王楚欽が11-4で奪う。 2ゲーム目は中盤でF.ルブランが5-3、7-5でリード。しかし、王楚欽がフォア前によく切れた下回転、バック深くにロングサービスのコンビネーションで追いつき、8-7と逆転したところでF.ルブランがタイムアウト。8-8から王楚欽はF.ルブランのミドルを両ハンドで突き、チャンスを作って攻め、11-8で連取する。 3ゲーム目になると試合は一方的な展開。これまでレシーブで効果を発揮してきた、F.ルブランの「ビタ止めストップ」が台から出てしまい、王楚欽に破壊的なフォアのパワードライブを打たれる。1-1から6点連取で7-1と王楚欽がリードを広げ、F.ルブランは少し集中力が切れてしまったか。最後は10-3のマッチポイントで、王楚欽がフォア前を強烈なチキータで打ち抜いた。「若い芽は早めに摘む」という意志を感じるプレーで完勝を収める。
最後の決勝でA.ルブランが発奮。世界王者を追い詰めた
2番は樊振東とルブラン兄弟の兄のアレクシス・ルブランが対峙。1ゲーム目、樊振東が8-4とリードして「このまま中国のワンサイドゲームか?」と思われたが、ここまで勝ち星が伸びていないA.ルブランが発奮。樊振東が制止するほど早い間合いから、フォアサービス、フォアのしゃがみ込み、バックサービスと目まぐるしくサービスを変えながら、強烈なバックハンドのカウンターを連発する。 A.ルブランは1ゲーム目を逆転して11-9で奪い、3ゲーム目も出足からバックのカウンターを次々に決め、11-8。準決勝の4番で張禹珍のバックカウンターをさばいた樊振東が、A.ルブランのバックハンドをさばき切れない。4ゲーム目も9-9でバック対バックの激しいラリーを制したA.ルブランが、10-9とマッチポイントを握ったが、ここで樊振東がフォアに来るバックカウンターをクロスへフォアカウンター。世界王者の意地を見せて12-10でしのぎ切る。 5ゲーム目は出足から樊振東が4-0とリードを広げ、7-2、9-3とリードを保ち、10-5でマッチポイント。A.ルブランも挽回したが、最後は11-7。A.ルブランの早い間合いに乗らず、勇気のあるプレーでA.ルブランのマッチポイントをしのいだ樊振東が制した。時に火の出るようなカウンターの応酬、コートに乾いた破裂音が交錯する好ゲームだった。敗れたとはいえ、A.ルブラン、最後の最後で意地を見せたプレーだった。