【ソフトバンク】15年目今宮健太、球団遊撃手最多出場1494試合、御礼V打…偉業も感謝の言
<日本生命セ・パ交流戦:DeNA3-5ソフトバンク>◇8日◇横浜 ソフトバンク今宮健太内野手(32)が新たな勲章を手にした。「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦に「2番遊撃」で先発出場。球団記録に並ぶ遊撃手通算1494試合出場を果たした。12年4月29日のロッテ戦(QVCマリン=現ZOZOマリン)で初出場してから13年目、プロ15年目での到達。南海時代の小池兼司に並んだ。3-3の9回1死二塁では値千金の決勝打もマーク。自らのバットで花を添え、チームを今季最多の貯金21に導いた。 【写真】華麗な守備でゲームセットとする今宮 ◇ ◇ ◇ 今宮は一塁ベース上で破顔した。沸き立つ三塁ベンチに向かって、右手を力強く突き上げた。 3-3の9回1死二塁、DeNA森原の外角低め変化球を中前へ。3ランで追いつかれた直後、値千金の決勝打を放って、思わず感情が高ぶった。「最近なかなかいいところで打てていなかったので」。出場6試合ぶりのタイムリーで試合を決めた。自らのバットで偉業に花を添えた。 メモリアルデーだった。「2番遊撃」で先発し、遊撃手として通算1494試合出場。ついに南海時代の小池兼司が持つ球団記録に並んだ。「今までの監督、コーチ…いろんな方に感謝したい」。偉業にも謙虚さは変わらない。喜びよりも感謝の言葉が続いた。 「野球を辞めるまでショートでやっていくのが理想。なかなかそうもいかない時も来るかもしれないけど、それぐらいの気持ちを持って守っています」 強い覚悟とこだわりを持ち、居場所を守り続けてきた。向上できるのであれば、後輩さえも手本にした。 22年シーズンの途中、グラブをスタイルチェンジした。小指部分を従来の「1本入れ」から、小指と薬指を入れる「2本入れ」に変更。「ボールをつかむことに関してはしっかり捕りやすいので」。きっかけは大分出身の後輩でもある西武源田の相棒だった。 「源田を見て、ですね。ゴールデングラブを取っているのは源田なので」 13年から5年連続でゴールデングラブ賞に輝いた今宮も、直近6年間は源田にその座を譲っている。プライドをかなぐり捨ててでも、レベルアップを目指す。そんな姿勢が遊撃手・今宮健太の土台となっている。 花形ポジションを守り続け、球団記録更新まで1試合。パ・リーグ記録を持つ松井稼頭央の1531試合もいよいよ視野に入るが、「まずは目先の1試合1試合を頑張って」と地に足をつけた姿勢が頼もしい。 試合後、遊撃手出場記録について「まだまだ満足していない」と言い切った。チームは2連勝で今季最多を更新する貯金21。ソフトバンク球団としての通算1500勝にも王手をかけた。背番号6はこれからも強力ホークスの遊撃手として、勝利を積み重ねるつもりだ。【佐藤究】