神戸から東北に送られた希望の灯り~大槌のボランティアの母 八幡幸子さん~
人のために何かを ボランティアに託した復旧・復興
建物が残った桜木町地区から復興を。八幡さんは、所有する家をボランティアの宿泊拠点に改装してのべ2000人を泊めました。被災者への炊き出しとともにボランティアにも食事を提供。大槌のボランティアの母と言われるようにもなりました。 (八幡さん) 「私もそれなの。助けられなかった人がいる。誰か来てくれる人たち。なんぼボランティアさんだって人間だよ。食べるものも泊まるところもなかったら。私のできることは、泊まらせて食べさせることしかできなかったから。とにかく来て、大槌をとにかく復興させてほしい。それしかなかったのさ」
真っ暗なまちに灯りが欲しい
そう願う八幡さんのもとに神戸から灯りが届けられました。 (八幡さん) 「この灯りを頼りに海に行った人たちが戻ってきてって。そういう気持ちで。願っていますよね。海の方に向かって。手を合わせる」 2012年11月11日、高台の城山公園に、寄付金によって犠牲者鎮魂のモニュメント「3.11大槌希望の灯り」が設置されました。灯された灯は、阪神淡路大震災の被災地神戸の「1.17希望の灯り」を分灯したものでした。 (2012年・堀内さん) 「それでは点灯をお願いします。点灯!」 堀内正美さん 「寄り添うためのうつむいた人がちょっとだけ顔を上げてもらいたい。そんな思いで陸前高田や南相馬で建立してきて。今回(大槌)のデザインはひょうたん島にある灯台をイメージしてつくられた」
神戸から東北に灯りを
NPO法人 阪神淡路大震災1.17希望の灯りの設立者で、俳優の堀内正美さん。被災地神戸から東北に灯りを届けました。 堀内正美さん 「他府県からの方たちに本当に力づけられて、お水にしてもそう。食糧にしてもそう。全国の皆さんが神戸に足を運んでくれて届けてくれたんですね。阪神淡路で経験した人のぬくもりというのがとてもうれしかった。じゃあ僕たちもできることをということで、岩手と福島を訪れた」
日が経つごとに1つ。そしてまた1つと大槌に灯りが灯りました。 (八幡さん) 「火はともしびはぬくもりをすごく感じますよね。ことしもこのくらいまちに灯りができたとか。感無量でしたよ」 駆け抜けてきた13年。脳梗塞で倒れたこともありました。 (八幡さん) 「あと15年は働きたいと思っているから。そしたらいくつになるのかな。88。 それまでいっぱい見本がいるから90歳の人もいっぱいいるから。たまにけがしたり病気したりするのも休めっていうことなのかなと」 明石市や福崎町といった兵庫県、そして、全国からボランティアが駆けつけ、大槌のまちは一歩ずつ復興への歩みを進めています。 (八幡さん) 「少しでも役に立ちたいということで今でも考慮しているんですけど、それに関しても2つの文字。感謝です」
サンテレビジョン