【小松菜】アクが少ないって聞くけど…ゆでた後のアク抜きは必要?管理栄養士が回答!
小松菜はアクが少ないって聞いたことがあるけど本当?心配なので、ゆでたあとアク抜きのために水にさらしている、本当はどっちなの?という疑問にお答えします。 〈写真で見る〉【小松菜】アクが少ないって聞くけど…ゆでた後のアク抜きは必要? ■小松菜にアクは含まれる?ほうれん草との比較 野菜に含まれる渋みや苦味、えぐみや雑味など、食べたときに不快に感じる部分は、一般的に「アク」とよばれ、健康に効果的に働く成分が含まれる場合は必ずしも取り除かなくてもよいですが、人体にとって有害な成分の場合にはアク抜きが推奨されています。 アク抜きが必要といわれている葉物野菜といえばほうれん草です。ほうれん草に多く含まれる「シュウ酸ナトリウム(シュウ酸)」という成分は、体内のカルシウムと結びつきやすく、多量に摂取することで石のような塊を生成してしまい、尿管結石など健康を害する原因となることがあります。そのため、ほうれん草はアク抜きをしなければなりません。一方、小松菜はほうれん草に似ていますが、アクはどれだけ含まれているのでしょうか。 品種や収穫時期などにも差はありますが、ほうれん草(生)の100gあたりのシュウ酸総量980mgに対して、小松菜(生)は100gあたり28.8mgとの報告があり、ほとんど含まれていないことがわかります。 ■小松菜はアク抜きが必要?ポイントは? そのため、基本的に小松菜はアク抜きの必要はありませんが、季節によってえぐみを感じやすかったり、離乳食などに利用したりする場合は、下ゆで時にアク抜きをしておくことも多くあります。 ■■下ゆでしてアク抜きをする ① 小松菜は根元に十字に切れ目を入れ、流水でよく洗う。 ② ひとつまみの塩を入れたお湯が沸騰したら、小松菜の根元の方から先にいれて葉先まで茹でる。 ③ ざるにあけ、冷水をはったボウルに入れさっとさらす。 ■■水にさらしてアク抜きをする シュウ酸は水溶性のため、水にさらすだけでもアク抜きはできます。小松菜を小さめにカットして水に触れる切り口を多くし、3分ほど水にさらします。 ■■カルシウムを含む食材と一緒に カルシウムを含む食材と一緒にとることで、腸内でカルシウムと結合して便として排泄されやすくなります。逆にカルシウムが不足していると、シュウ酸は血中に吸収されて尿中のカルシウムと結合して尿管結石などの原因になりやすいとされています。 ■小松菜は生で食べられる 小松菜は、それほどアク抜きが必要ないどころか、新鮮であればサラダやスムージーなど生で食べることもできます。シュウ酸の含有量でみると、生食されている葉物野菜の代表であるキャベツは0~125mg、レタスは5~20mgと、小松菜とそれほど違いがないことがわかります。ビタミンやミネラルには水さらしや加熱調理で失われていくものもあるため、必ずしもアク抜きの必要のない小松菜は、効率的に栄養素を摂りたいときの強い味方になります。利用状況に応じでて上手に調理したいですね。 参照: 『尿路結石再発予防について』(琉球大学大学院医学系研究科・腎泌尿器外科学講座) ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 Instagram:@tsukiko_shoku_mind blog:管理栄養士 大槻万須美♪楽しく食べて健康に♪ 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)