年後半はジワリ円高ドル安か?それでも株高は続きそうだ
植田日銀の次の一手がドル円相場の行方を決めそうだ(写真:ブルームバーグ)
株式投資家はドル円相場の変動をどう見ればいいのか。メガバンクで外国為替業務を経験し、現在も主に製造業の企業向けに為替や金利リスク支援を手がける戸田裕大氏。2023年下期に起こりそうな日銀の政策修正を起点とした「ドル円の見通しと注目点」を解説する。今年の ドル円 は130.85円でスタートし、6月2週の週末時点で139.34円までじわり上昇しています。 年始は多くの金融機関やシンクタンクがドル安、円高のシナリオを描いてきました。アメリカの利上げ停止が間近に迫り日銀の政策修正が期待される中では、割とスタンダードなシナリオだったとは思います。 ですが、少なくとも上半期に関してその想定は崩れています。市場関係者の期待を裏切るシナリオになったのは、なぜでしょうか? まず、現状把握から始めましょう。ドルの総合的な強さを示すドルインデックスは年始が103.45、6月2週の週末時点が103.53とほぼ横ばいですので、実質的には円安がドル円相場に影響していたことがわかります。
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戸田 裕大