『ブギウギ』で話題のOSK日本歌劇団 東京公演も完売で翼和希が驚き「感謝の気持ちでいっぱい」 反響も明かす
OSK日本歌劇団の翼和希が1月31日、東京・銀座の博品館劇場で『へぼ侍~西南戦争物語~』のゲネプロ前取材会を開催した。 【動画】翼和希、今後の目標は「紅白出たい!」 地元大阪で誕生した同団は、固有かつ特異な芸術である「少女歌劇」を確立し、1世紀の長きに渡りその昇華と継承に努めてきた。2022年に創立100周年を迎え『ブギウギ』では同団出身の笠置シヅ子さんをモデルにその半生が描かれており、大阪編では橘アオイ役で翼が出演したほか、梅丸少女歌劇団(USK)の劇団員役などで30人が出演した。『へぼ侍』は、1月の大阪公演が即日完売。2月2日から4日までだった東京公演もチケットが完売し、1日に追加公演を行うも完売となっている。 翼は「OSKにとりまして、この銀座博品館劇場は、これが約4年ぶりとなりまして。私たちも、こうしてまたこの劇場に立てますこと、本当にうれしく思っております。しかも、お芝居の公演で東京に来る機会がなかなかございませんので、この機会を大事にして、みんなで一致団結して千秋楽まで駆け抜けたい」と笑顔を見せた。 昨年は朝ドラで知名度を一気に上げ、OSKにとって飛躍の年になった。「昨年、朝ドラ『ブギウギ』が放送されて、OSKをたくさんの方に知っていただける機会になったと思います。こうして知っていただいた上で劇場に足を運びいただいて、またOSK自体を好きになっていただいて、今後もOSKのことを応援してくださる方がたくさん増えたらいいなと思っております」としみじみ。 今年の抱負も。「飛翔と継続というのをよく私は申し上げているんですけれども、さらに飛躍の年となっていきたいです。かつ継続というのは、今年でOSKは102年目を迎えます。この劇団を続けていかなければいけないという責任を、それこそドラマを通じてより一層感じました。この歴史を絶やしてはいけないですし、 続けていく。しかし、同じことを続けていくわけではなく、その時代によって変化していくものは必要だと思うんです。けど、志や心、気持ちだったりするものは変わってはいけない。そこは大事にしながら、次にどんどん歴史をつなげていくという意味で、継続を目標としております」と口にしていた。 『ブギウギ』をきっかけに初めてOSKを観劇する人もいる。どんなところを見てほしいか聞かれると「歌劇自体を初めてご覧になる方もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、その中でOSKの魅力という、梅丸少女歌劇団のスローガンにもなっている『強く、たくましく、泥臭く、そして艶やかに』という言葉があります。泥臭さというのは歌劇とはちょっと縁遠い言葉に聞こえがちなんですけれども、そこにOSKの志っていうがあると思っていまして」とする。「ドラマをご覧になった方だったらわかると思いますが、最初のころに労働争議とかありましたが、目の前に大きな壁が立ちふさがっても、それと真っ向勝負をして、負けずに戦い続けてきた先輩方がいらっしゃって、それを支えてくださる皆様がいて、今につながっているという歴史がある。その後、OSKは、戦争も経験してますし、その後また労働問題だったり、解散だったり、いろんな壁にぶち当たるんですけれども、それを一つひとつ乗り越えてきた力強さというのは、OSKならではの強みなのではないかなと思っています」と力強く語った。 ドラマに出演したことで、改めて舞台の魅力を再発見した。「やっぱり舞台っていいなと再認識しました。ドラマのお芝居もすごく楽しくって、また舞台とは違う表現の仕方があるんだっていうのを発見できたんですけど、それを経験した上で、また舞台に戻ってきた時に『こんな表現も実はできるんじゃないか』とか。みんなで作り上げていく団体生活をしてきた劇団員をしてきた中で、外の世界で個人で頑張ってらっしゃる方々、プロの方々とご一緒させていただくことで、刺激もたくさんいただきました。なので、そこから学んだもの、空気だったり、表現の仕方だったりっていうのは、とても貴重な経験だったと思うので、それも取り入れながら、また今後も舞台を務めていきたいなって思いました。OSKはレビュー作品が多いので、お芝居にもたくさん挑戦していきたいなっていう気持ちになりました」と変化を明かした。 ホームの大阪だけでなく、東京公演も追加公演を含めて完売。劇団員同士では「完売やて!」「どうする?」と大はしゃぎだったそう。改めて感じたことについて、翼は「びっくりしました。いろんなところで申し上げてるんですけど、全部完売するなんて経験がなくてですね…。しかも、私、大阪出身でございますし、東京に友だちが少ないものですから、大丈夫かなって思ってたところがあったんですけれども。あれよ、あれよとたくさんの方にご観劇いただけることになりまして、追加公演っていう形にもなったので驚きましたけど、本当にうれしかったです」と感謝の思い。「ドラマがきっかけの方が多いとは思うんですけど、それをきっかけにOSKのことに興味を持ってくださって、チケットを買って劇場に行く時間を作ろうとしてくださったお客様がこんなにもたくさんいるんやって思ったら、本当にうれしかったし、感謝の気持ちでいっぱいになりました」としみじみと語った。 今後の目標も。翼は「やはりOSKが全国、世界に知っていただけたらっていうのが私の目標にずっとなっているので、それはもう変わらず」ときっぱり。一方、『紅白歌合戦』の話題を振られると「言うのはタダやと思うんで…。『紅白』出たいです!」と力いっぱいに語っていた。 今作は昨年8月に大阪市内の劇場で初演し、好評を得たことで再演と上京が決定。坂上泉著『へぼ侍』(文春文庫)を原作に、戸部和久氏がミュージカル化。西南戦争を舞台に兵士の活躍を描く。