5番アイアンを使う女子プロが増加傾向ってホント!? 「5番復権」の理由とアマチュアでも「使える」条件とは?
「ロフト多めでやさしいアイアン」が狙い目
しかしユーティリティーで簡単に高さを出せるなら、わざわざ5番アイアンに戻さなくてもいいのではと思うかもしれません。ではアイアンのメリットは何かといえば、コントロール性にあります。 「ユーティリティーはよくも悪くも“やさしい”ので、ミスヒットに強く、シンプルに高く真っすぐ打つのには向いていますが、『ちょっとカットに入れてスピンを増やす』とか『数ヤードの距離の微調整』などといった細かなコントロールはしにくいクラブ。ヘッドが大きいので、ラフからの抜けもアイアンには及びません。そういったテクニックを駆使したい選手にとっては、高ささえ確保できるならアイアンに利点があるのです」(小倉店長) 多くのアマチュアにとって、そういった繊細なコントロールは必要ないかもしれません。しかし「バッグに5番アイアンが入っている」「5番アイアンを使いこなしている」というのは魅力ですし、やっぱりカッコいい。 ではアマチュアが5番アイアンをバッグに入れようとする際は、何に気をつければいいのでしょうか。小倉店長は「“やさしいアイアン”の5番が必ずしもやさしいとは限らない」といいます。 やさしさをうたうアイアンの多くはストロングロフトなため、5番アイアンではロフトが立ちすぎていて球を上げにくいからです。 「基本的にはロフトが一番大事です。ドライバーのヘッドスピードが40メートル/秒前後の人なら、5番アイアンで25~26度くらいはほしいですね。これは7番アイアンが30~33度くらいのモデル。これはプロモデルのアイアンなどに多い設定なので、モデル名だけ見ると『難しくて使えなさそう』と感じるかもしれません」 「もちろんミスヒットへの寛容性は“やさしいモデル”には及びませんが、打ってみるとロフトがあるため意外に球が上がりやすいので、イメージほどではないんですよ」(小倉店長) その意味では、ロフトの条件を満たしたうえで、ヘッドが大きめでやさしいモデルを選べば、普通のアマチュアでも5番アイアンを使いこなせるということになります。 具体的にはピンの「i230」やキャロウェイ「APERX PRO」、ミズノ「JPX925ホットメタルHL」などが当てはまるでしょう。 また、しっかりバックスピンの入るウレタンカバーのプロボールを使うこと。前述の「スリクソンZスター◆ダイヤモンド」や「プロV1xレフトダッシュ」などの最新ボールを使うのもポイントかもしれません。 「やっぱりアイアンは5番から」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
鈴木康介