〔東京外為〕ドル、155円台後半=介入見送りで上値試す(25日午後5時)
25日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、政府・日銀の介入見送りで上値を試す展開となり、1ドル=155円台後半に上昇した。1990年6月以来、約34年ぶりの高値を更新した。午後5時現在は、155円62~63銭と前日(午後5時、154円90~90銭)比72銭のドル高・円安。 午前は、五・十日による国内輸入企業の買いや、時間外取引での米長期金利上昇を眺めて155円45銭近辺へ上昇し、前日の海外市場の高値を上抜けた。 午後は、海外勢を中心とした仕掛け的な買いで、155円70銭台へ上伸。その後は米長期金利の上昇一服などで、155円60銭前後に軟化した。 前日の米国市場では、米利下げ先送り観測を背景に長期金利が上昇し、ドル円は政府・日銀が介入に踏み切る「防衛ライン」とみられていた155円を上方ブレークした。 東京市場でもドル買い・円売りが継続し、155円台後半へ水準を切り上げた。「防衛ライン」を突破しても介入が実施されなかったほか、鈴木財務相らの円安けん制発言のトーンも強くなかったため、「上を試したい雰囲気が広がった」(国内銀行)という。 米国時間に1~3月期の米GDPが発表される。市場予想(ロイター)は前期比年率2.5%増で、10~12月期の3.4%増から減速、コアPCE物価指数は3.4%上昇と10~12月期の2.0%上昇から加速する見込み。前出の国内銀行は「予想を上振れると長期金利が4.7%台に上昇し、ドル円は上を攻める可能性がある」と話していた。 ユーロは対円、対ドルで上昇。ユーロ円は、介入見送りによる円売りで2008年8月以来、約16年ぶりの高値を塗り替えた。午後5時現在は、1ユーロ=166円85~85銭(前日午後5時、165円55~56銭)、対ドルでは1.0721~0721ドル(同1.0688~0688ドル)。