巨人の救世主「ヘルナンデス」はドミニカの天才野球少年だった…開幕前に帰国したオドーアとの大きな違い
真面目な性格
2023年に再びレンジャースとマイナー契約を結んだが、メジャーの昇格はなかった。そして今年になって巨人に拾われたというわけだ。 「近年の巨人は外国人選手の“不作”が多く、悩まされてきました。ところがヘルナンデスの契約金は5000万円と報じられており、まさに巨人スカウトの大勝利と言えるでしょう。これほどの選手を、これほど安い金額で獲得できたというのは、そうあることではありません。実はヘルナンデスはアメリカ時代、真面目な性格が高く評価されていました。ひょっとすると巨人もそこに注目したのかもしれません」(同・友成氏) ヘルナンデスはMLBの挑戦には失敗した。ところが日本プロ野球とは相性が良さそうなのだ。その理由を友成氏は日米のピッチャーの違いにあると指摘する。 「ヘルナンデスは速球に弱いのです。MLBのピッチャーの速球は155キロを越えますから、差し込まれて凡打になっていました。ところがプロ野球のピッチャーは140キロ台の後半から150キロ台の前半といったところです。さらにヘルナンデスはスライダーを打てるという長所がありました。日本のピッチャーなら速球にも変化球にも対応できるので、余裕が生まれたのだと思います。そして東京ドームを筆頭に、日本には狭い球場が多いという点にも助けられているでしょう」(同・友成氏)
オドーアとの違い
友成氏はオドーアの来日時から「彼は日本野球を苦手にするはず」と予想していた。そして彼が退団した際は「帰る場所がある」ことに注目していた。 デイリー新潮が4月3日に配信した「だから言わんこっちゃない…『オドーア』巨人退団でMLB評論家がスカウトに苦言」から、友成氏のコメントを採録する。 「彼は2017年、レンジャーズと6年総額4950万ドル(約74億円)の契約を結びました。ちょっとやそっとの散財で消えるような額ではありません。要するにハングリー精神は皆無で、巨人にしがみつく必要はないのです。アメリカに戻れば、1軍選手として契約してくれる球団も見つかるでしょう」 一方のヘルナンデスに「帰る場所」はないという。 「2022年のメジャー昇格でヘルナンデスは実績を残せませんでした。これはアメリカの球界で“メジャー失格”の烙印を押されたに等しいでしょう。アメリカに彼が帰る場所はなく、巨人で活躍するしかないのです。ヘルナンデスの真面目な性格と考え合わせると、この“背水の陣”はモチベーションを高める可能性があります。巨人ファンはヘルナンデスのさらなる活躍に期待していいと思います」(同・友成氏)
デイリー新潮編集部
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