氷点下20度、極寒地での原木伐採…忘るまじシベリア抑留 体験基に描かれた絵画や手記など60点、語り継ぐ展示会 姶良・重富民俗資料館で26日まで
鹿児島県姶良市平松の重富民俗資料館で、戦後に旧ソ連に抑留され鉄道敷設などの重労働を強いられた「シベリア抑留」を語り継ぐ展示会が開かれている。体験を基に描かれた絵画や手記など約60点が並ぶ。同館は土日月曜に開館。26日まで。 バス襲う匪賊、女性を連れ去るソ連兵…「全滅しかない」。自決覚悟の私に島根の「西原」さんが言った…「死ぬ必要はない。日本に帰れる」。命の恩人だ。【証言 語り継ぐ戦争】
展示では、氷点下20度を下回る極寒の地での原木伐採などの労働や、戦場での飢えなどを体験した家族の話を聞いた子や孫の作文、聞き書きなども紹介。戦争が語り継がれていく様子を知ることができる。 父親がシベリア抑留の体験者という同市平松の無職男性(68)は「戦争では人の命が軽く扱われることを改めて感じた」。主催した「戦争を語り継ぐ集い」の山下春美さん(56)=鹿児島市=は「体験者から直接話を聞く機会は少なくなっているが、そのつらさを想像できれば戦争を起こさない未来へ思いはつながっていく」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
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